二人ともEVO 0101Zには白いストラップを掛けて、特製アルミマイクスタンドに設置されたポリッシュ仕上げの『HEiL Sound / The Fin』マイクに向かい、身じろぎもせず視線は宙にあり、黙々とEVO 0101Zを弾く姿に既に感動を覚えます。
核P-MODELの1枚目「VISTORON」から3曲を息もつかせず畳み掛ける様に迫り来る核P-MODELサウンド!
4曲目「それ行け! Halycon」で毛糸帽マスクメガネ男がキーボードと共に登場!あっと言う間に消えていく!
街で見掛けた方は、ケイオスユニオンに通報を!交互の屈伸はParallel Kozak?!
「109号区の氾濫」を挟み『гипноза 』中の雄大な楽曲「白く巨大で」の演奏時、今ライブの大きな見せ場が訪れる!
『гипноза (Gipnoza) 』のサブ・ストーリーに登場した、震災で壊れてしまった“亜種音の培養炉”の巨大なセットがステージセンターに!
そこには、旋盤用工具である手持ち式グラインダーが2基、待機。
平沢、PEVO1号がおもむろに“培養炉”に自ら脚立を設置。高所に昇った万有ギタリストは、各々グラインダーを手に、火花を散らして、 “培養炉”を解体し始めます!
会場に響き渡るグラインダーの轟音!
両氏が交互に織り成すピッチの異なるグラインダーの轟音は、そのままフレーズを形成し、楽曲の中のモチーフとして奏でられます!!
そして、火花を散らしながら機械的にグラインダーを操り、澄み渡る声を会場に響かせ、歌う平沢!!
後半のギターソロでナント!TALBO ICE-9登場!妖艶なサウンドを響かせます!
デジタルなバッキングと生身の肉体を感じ迸る火花は、EVOとの遭遇から新たな核融合を起こしたのかもしれない?!
続く「ビストロン」~の3曲も麗しい程に「核P-MODEL」の世界観がシャワーの様に降り注ぐ!
そして「ENOLA」、鮮烈な固有名詞か?!人差し指を天に向けて後方へ倒れこむパフォーマンス!
ステージの2人はずっとストラップをしてEVO 0101Zを抱えたままだが、平沢の「ENOLA」でのマイクスタンドを大きく倒しての絶叫は何を指す!?
「Alarm」スリリングな展開で絶叫のボーカルと、ギターソロは圧巻!
本編終了!ありがとう!を残し、ステージを降りる!
アンコールに応え、「巡航プシクラオン」目くるめく核P-MODELサウンド!
演奏後、言葉を発した平沢はアルミ製品の説明をします!として、「白く巨大で」のソロを除き、全ての楽曲でPEVO1号共々使用した、純日本製エレキギター「EVO」について解説をしました。
ギターシンセサイザー奏者!PEVO1号を呼び込み今回のライブで使用した、ローランド・ギターシンセサイザーGR-55を本当に鳴らしているのをお見せします!として、PEVO1号が先ずEVOのギターのみのサウンドを奏で!次にGR-55のサウンドを放つ!会場はおーー!本当に鳴っている事が実感でき、もっと弾いて!と掛け声が掛かる!
楽器フェアじゃないんだから!と平沢。
PEVO1号は次に重低音を放ち、更なるどよめきが沸き起こる!
今回の平沢進とPEVO1号による、まさに『パラレル・コザック』なライブ機材を紹介致します。
平沢、PEVO1号、夫々の傍に設置されたPCにもハリーさん作のアルミ製エンブレムが置かれていました!
平沢PCにはGR-55のLibrarian[Main]が表示され、PEVO1号のPCには、セットリストと機材や曲の中での注意書きが!!!
GR-55の表示名も!!!
2人が使用するピック。
平沢はFender/EX Heavy、PEVO1号はロゴ入り特注ピックです。
ボーカル用マイクロフォンに関して、ここしばらくのライブで見慣れていたヘッドセット・マイク(SHURE / BETA54)が、今回はなんと、スタンド・マイクに!
採用されたのは、青く光る、あのマイク!『HEiL Sound / The Fin』!
光るだけではない、高音質ダイナミック・マイクロフォンです!
マイクスタンドに施されたアルミの無機質な装飾は、前回の『レーザー・ハープ』での華麗な装飾同様、ハリーさんが手がけています!
ライブの核となるギターサウンドとGRサウンドの肝、
Roland GR-55Sで平沢は黒の新型、PEVO1号は初期型の青を使用!
シンセアウトはMONOアウトから出力、同時にGuitarアウトからエフェクトに入り、ライブ中に切り替えて使用していました。
GR-55のサウンドはステレオでエフェクト等も設定をされていますが、ライブでのバッキング演奏に合せる為には、MONOでの厚いサウンドの方が楽曲として成立するのかも知れません。
平沢のGR-55の表示されている音色名には、むむ?!曲名?PEVO1号のGR-55の表示も曲名だ!
PEVO1号のギター用エフェクトは
ZOOM G2Nuのみです。
平沢はギター用は
ZOOM G3Xですが、ギターとGRの切り替えを
BOSS LS-2を使用、EVOとTALBO ICE-9の切り替えをもう一台のLS-2で行っています。
又、「白く巨大で」のICE-9はワイヤレスで、Line6 Relay G50のレシーバーが右隅に確認できます。
ギターアンプはなく、全てDI「
KLARK-TEKNIK DN-100」からミキサーを経てPAに送られる!
ステージ上での各音源のモニターバランスを平沢自らコントロールする為の、MIDAS24chミキサー。
亜種音の培養炉を取り囲む!
所轄消防署に火気使用の認可を得て、消火器が待機!BOSCHグラインダー、防塵メガネ。
平沢のEVO 0101Z×2はストラップの色で、メインとサブを識別する。
サスティナー機とEMG-89&89Rの精悍な2本。
PEVO1号は0101ZMcCarty機とTALBO Alumi Clear/GK Modがスタンバイ!
亜種音の培養炉とパワーレック:沼田
「平沢へ質問」
- 今回のライブ用トラックはどの様に再生されているのですか?
平沢:SONARで制作された楽曲のトラックをライブ用12トラックにまとめ、SONARで再生しています。
- トラックに関して、例えば各トラックのバランスはライブである事を意識されているのですか?
平沢:私は基本的に、CDと同じサウンドを再現したい希望はあるのですが、ライブでの各々のトラックのバランスは、会場、シチュエーションに合わせて、オペレーターさんにお任せしています。
この日、4日間のライブを終えた平沢進氏。
- アルバム発売、ライブを終え、ここから少し充電期間ですね?
平沢:そんなもの無いですよ!!
連続4日間の公演後も弛まない探求心から、既に次作を睨んでいるのかもしれない、平沢進。
今回のライブを見て人間の息吹を感じ、平沢とPEVO1号の肉体を感じられた、そんな素敵なライブでした。ビデオシューティングされた作品を早く見たい!
CAP-iNA - hirasawa - PEVO1号