●以下はモーグ博士が生前に鍵盤堂にて行ったセミナーのあとがきです。

モ−グ博士の後に道はできる。改めて実感しました。当日は、あいにくの雨。今回は、新しいイベントスペースの柿落としという事もあり、勝手がつかめず頼り無い担当ですが、テルミン演奏家のRom Chiakiさんは昼過ぎにはテキパキとセッティングを終え、入念なリハーサルを行ないます。「まず、ピッチを決めるのが大切」と語るRomさんは、背筋をピンと伸ばし、愛機テルミンと会話するように優しいメロディを紡いでいきます。moogerfooger MF-101 Lowpass Filterを愛用されてると聞いて、担当の希望でmoogerfooger MF-104 Analog Delay(生産完了品)を使っていただきましたが、やはり!相性ぴったりで夢心地な音でした。開演1時間前、モ−グ博士が到着!写真で見るより大きな体躯に、スタッフ一同、かなりびっくり。お元気そうで何よりです。スタッフとの打ち合わせの後、御自身のibookで講演会用の写真を懸命に仕込む博士の心遣いに感動。


★モーグ博士 講演会

←御予約だけで満席状態。熱気溢れるステージで、訥々と語り始める博士。

幼い頃から父親の影響で電子工学を学び、若くして(20歳で)自身の会社を設立。1960年代にはシンセの基本「VCO」「VCF」「VCA」をモジュラーで組み合わせ、試作を重ねる。1967年、ウェンディー・カルロスの「スイッチド・オン・バッハ」の成功で、クラシック、ポップス両ジャンルで「モーグ・シンセサイザー」が認知される。そこで火が付いたシンセブームはビートルズやストーンズも巻き込み、新しい何かを求める音楽家にとって、モ−グは必需品となるかと思われた・・・が、モジュラーシステムの「楽器と呼ぶには大きすぎる匡体と価格」は新たなユーザーに二の足を踏ませ、博士を次の段階へと誘う。

1971年、一人で持てるシンセ「minimoog」(ミニモーグ)を発表。厚見 玲衣、キース・エマーソン、クラウス・シュルツ、クラフトワーク、ジャン・ミシェル・ジャール、デペッシュ・モード、リック・ウェイクマンなど、多くのミュージシャンがステージで、レコーディングで愛用。シンセリード=ミニモ−グ、シンセベース=ミニモ−グ、そしてキング・オブ・シンセ=ミニモ−グという図式が完成。十年が過ぎ、12,000台以上出荷されたminimoogも遂に生産完了。1990年代に幾度か再生産を試むが実現せず。が、その間に「moogerfooger」(モーガ−フーガ−)という、素晴らしいアナログエフェクターを発売。最新機種「MF-105 MuRF」への意気込みはただならぬ物があり、嫌が応にも期待は高まる。

そして、2002年発表の、懐かしくも新しい「voyager」と共に、博士の航海は続く・・・。



★Rom Chiaki 演奏会

■Rom Chiaki(ロムチアキ)プロフィール
2000年よりテルミン奏者として音楽活動を開始。ライヴでは、テルミン本来の音色だけのでなく、エフェクター等も積極的に使い、多彩な音色での演奏もしている。ギター、ドラム、ディジュリドゥー、口琴、チューバ、リュート、ピアニカ等、一般的なテルミン演奏とは違った楽器編成のライヴを行う。昨年7月、ペダル・スティール・ギターの巨匠 駒沢裕城氏のツアーメンバーとして参加。8月、MUJIの音楽としても知られている武藤祐生氏の弦楽四重奏団+テルミンという編成でのライブ。『テルミン』映画公開に合わせて、テレビ・多数イベント等で、演奏・指導等にて出演。レコーディング活動も盛んでロック界を中心にさまざまなジャンルのミュージシャンと積極的に交流している。2004年5月 NHK教育クレイ・アニメーション『ジャム・ザ・ハウスネイル』の音楽に参加。

←テルミン奏者とテルミンは、はにかむ恋人の様・・・向かい合いながらも、触れそうで触れない距離を保ち・・・それでも解け合い、ひとつのメロディを紡いでゆく・・・

moogerfooger MF-101 Lowpass Filterを使った曲ではテルミンで猫の鳴き声を表現。生命の喜びを感じさせる、圧倒的な表現力に脱帽。博士も大満足で、演奏を終えたRomを再び舞台へ誘い、満場の喝采を。素晴らしい演奏で司会者も言葉を失い、進行できない始末。

この体験を少しでも多くの方に味わっていただけるように、Rom Chiakiさんの公式webにリンクしました。 機会があれば、ぜひテルミンの生演奏を体験して下さい。



終了予定時刻を大幅に過ぎてのサイン会でしたが、遅くまでお付き合い頂いた参加者の皆様、誠にありがとうございました。御協力いただいたモリダイラ楽器の方々、素晴らしい演奏を披露してくれたRomChiakiさんとお手伝いの皆様、モ−グ博士と奥様、本当にありがとうございました。



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