テクノ・ミュージックの現在進行形を軽く飛び越し、もはや「平沢 進」というジャンルに昇華した氏の、活動の進化形態を垣間見られる場、「インタラクティブ・ライブ」
その2013年1月公演「ノモノスとイミューム」が1月24日、25日、26日の3日間、東京渋谷公会堂で行われました!いくつものストーリー、演目が用意され、観客、そして外部インターネット上からの参加者によるアクションに反応し、エンディングさえも変わってしまう有機的ライブショー、 それが「インタラクティブ・ライブ」です。

実際に、今会期中の3日間、全ての公演の展開は異なり、お伺いした当日も、リハーサルと本番で曲目、エンディングが異なっておりました!
平沢 進氏は、同形態でのライブ活動を1994年にスタート。以降、様々に進化を見せる独創的ライブショーは各所で反響を呼び、 2002年には、同シリーズの「賢者のプロペラ」が“デジタルコンテンツグランプリ・経済産業大臣賞(大賞)”を受賞!そして今回の「ノモノスとイミューム」で実に11回目の開催を迎えます!

前回のライブレポートに続き、2日目の公演にお邪魔致しました我々スタッフ一同、今回は、開演前のリハーサルからお邪魔致しました!
開演前のステージ上にて、平沢 進氏の“現在の”機材へ超接近!ご本人様にお話も伺いました!早速レポート致します!

矢印今回のライブでは、演者は平沢氏のみ!ステージ中央に整然と居並ぶ機材群。

まずはこちら!前回仕様より変更あり!
ここ数年来、平沢 進氏のトレードマークになっている「レーザーハープ」NEWバージョン!こちらは貴重な演者サイドからのショット!
この造形!
中央のPCにはレーザー制御のソフトウェアが立ち上がり中!「レーザーハープ」では、そのレーザーに触れる事で信号がトリガーされ、機器に指令を送ります!矢印

矢印そして、 NEWバージョンでは、その特徴的なデザインのアップグレードのみならず、レーザーの光量もアップ!
客席に向かっての放射も可能に!光量が上がりすぎて、演奏中、「手が熱くなる」事もあるとか(笑)

矢印上方にも同じくレーザーハープが設置されています!

矢印セッティングを横から!
レーザー、放出されています!

矢印レーザーハープの直下には、MIDIコントローラー鍵盤 『Roland A-500PRO』!こちらもライブ中に折に触れて操作されていました!

Cakewalk SONAR

Cakewalk SONAR

直感的なユーザーインターフェイスと高い基本性能で長きに渡りトップブランドであり続けるプロ品質DAWソフトウェア。 前身のMIDIシーケンスソフトウェア『Cakewalk』名義時代より、一貫してWindowsベースのみに対応し、常に安定した品質でバージョンアップを重ねる。

EAST WEST Hollywood Strings

EAST WEST Hollywood Strings

57人編成の本場ハリウッドの弦楽団を専用スタジオで、“詳細かつ丹念に”録音された、最高峰ストリングス音源ソフトウェア。 そのサウンドクオリティのみならず、多彩なアーティキュレーション、ボーイングにより、真の業務用途に応える、確かな表現力を獲得。

Mellotron

Mellotron Digital Mellotron M4000D

60年代に誕生した「テープに録音された音を再生、発音する」、元祖サンプラー的鍵盤楽器。 本文中にもある通り、キング・クリムゾン、ジェネシス、イエスといった多くのプログレッシブ・ロックバンドで導入されており、“Violin”や“Choir”等のサウンドが多用された。 ビートルズの「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」、デヴィッド・ボウイの「スペース・オディティ」等のロック/ポップ・クラシックでもそのサウンドを聴くことが出来る。 現在は、そのテープ・ライブラリを高品位にサンプリング、往時の雰囲気はそのままに、大幅にダウンサイジングされた「デジタル版」メロトロンが本家Mellotron社より販売されている。

以前は、Amigaシステムを制作の中枢に据えたハードコアな制作環境遍歴を持つ平沢氏。

-- 現在ご利用中のトラック制作時のDAWソフトウェアは?

「(Cakewalk社)『SONAR』です。」

-- 以前は、多くのハードウェア音源もご利用でしたが、現在もご利用ですか?

「ソフトウェア音源のみになっていますね。」

-- 平沢さんの楽曲では、ストリングス・アレンジが印象的で、以前はハードウェアでの「Kurzweil」のサンプル等を
  ご利用でした。ソフトウェアに移行された現在、ご利用中のストリングス音源は?

「(EAST WEST社)『Hollywood Strings』です。」

-- なぜ、『Hollywood Strings』 を選ばれたのですか?

「私は、ストリングスに関しては、“暗い音”に惹かれるのです。以前利用していた「Kurzweil」の音にも“暗さ”がありました。 私は、プログレを通っている事もあり、「Mellotron」に代表される、“ピッチの不安定な”楽器を多く経験して来ました。「Mellotron」はやっぱり、私にとってしっくり来る音なのですね。 馴染むのです。そして『Hollywood Strings』も楽曲への馴染みが良いのです。他の多くのストリングス音源では、豪華できらびやかな音にはなりますが、私には薄っぺらく感じる事が多かったのです。」

 

平沢氏の“サウンド”のキーワード、頂きました!

矢印ステージ上の平沢氏の立ち位置のすぐ背面には、MIDAS社の24chミキサーが設置されています。 こちらには、平沢氏のモニター用に複数のソースが立ち上がっており、モニターバランスさえもご自身でコントロールされていました!

そして、舞台袖には、当日のライブの模様をリアルタイムにインターネット配信し、ネットワーク上の参加者からのアクションをリアルタイムに受け取る為の一大システムもスタンバイ!矢印

矢印平沢氏の傍にも、インターネット視聴者向けカメラが設置!ここからライブ中、インターネット上にメッセージが発せられておりました!

そして19時。
「インタラクティブ・ライブ」本番!

矢印ステージ上の大画面に映し出される様々な映像情報。

矢印その前で機材を操り、ショーを進行してゆく平沢 進氏。矢印

矢印観客はストーリーに参加し、ライブショーを体感!

矢印時折現れる、折茂昌美さん演ずる「サンミア」も舞台に華を添えます。

そしてそして!

矢印 以前までは、TALBO [ICE-9]が鎮座しておりました場所に、新たなるギター『EVO 0101Z』が登場!
次期発売予定の、強烈に個性的なルックスの一品です!
ステージ後方には、サブの『EVO 0101Z』も鎮座しております。

EVO

EVO

矢印新型『EVO 0101Z』とNEWバージョン「レーザーハープ」の両方に共通する“アルミ・フィニッシュ”がピッタリとマッチ!

矢印システム一式が見事な統一感を生んでおりました!

KLARK-TEKNIK DN-100

KLARK-TEKNIK DN-100

英国のプロ音響機器メーカー作、アクティブタイプの良音DIボックス。 名門の名に違わぬ、安定感のある、レンジの広い、芯のあるサウンドは、国内外の多くのプロミュージシャンから高い評価を集め、指定銘柄として多くのステージで使用されている。

ここで再びライブ前のショットでレポートを!上記の『EVO』は“ライン”でアウトプット!
平沢氏のライブ機材システムにはギターアンプがございません!「ギターアンプは音が嫌い。」 との事です(笑)。マルチエフェクター『BOSS GT-6』からのアウトプットは、ラインセレクター後、高音質DI『KLARK-TEKNIK DN-100』に直結!矢印

“ソリッドかつボディのある” 平沢氏の攻撃的ギターサウンドの秘密でした!

矢印再度、ショーの模様です!
ライブ本番では、TALBO型ギター『PHOTON』も登場!
こちらももちろんライン出力です!
カッコ良すぎるアクション健在!

矢印前回に続き、アコギも登場!

そして今回も、やはり感嘆すべきは平沢氏の声!矢印

SHURE BETA54

SHURE BETA54

王道マイクロホンブランドSHUREによる、高音質コンデンサー・ヘッドセットマイク。激しい動きに対応する、しっかりとしたホールド性、軽量デザイン。 そしてSHUREらしい中域の厚みが保たれた、伸びやかなクリアサウンド。同社ワイヤレス・システムにも対応可能なプロ仕様モデル。

ヘッドセットマイクには、『SHURE BETA54』が採用されております!

伸びやかに、そして艶やかに、氏の変幻万化の声を伝えます!

-- それにしても、すばらしい声です。いつも練習されているのですか?

「そんな時間はありません。」

・・・・・。
流石です(笑)!

矢印“歌心”あふれる芸術的楽曲、独自の美意識に裏打ちされた剛性の高いトラック、独創的な機材群、その活動に更なる価値を付加する様々な試み、圧倒的なライブパフォーマンス、そして変容し続ける声。平沢 進氏を形容する為の言葉は一つでは終わりません。これからも“先鋭”であり続けるであろう平沢氏。その活動は、音楽に留まらず、表現の世界を拡張し続けます!

[EVO 0101Zと平沢 進氏、TALBO Secret FACTORY CAP-iNA]

オマケ:
ご愛用のピックは“Fenderおにぎり型Heavy”でした!矢印

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