2-1 ギターコントロール ~Play’n IKEBE GUITAR MANUAL~
エレキギターは、弾き方だけでなく本体のコントロールによっても音を変えられる楽器です。
プロのギタリストは演奏の最中にもボリュームやトーン、セレクターを駆使して、多彩なサウンドを生み出しています。
このページでは、ギター本体に備わっている各パーツの役割と使い方を解説します。ボリュームやトーンの調整、ピックアップの切り替え方、さらにはビブラート・ユニットの種類と特徴についても紹介します。
各コントロールの使い方を理解することで、より多彩な演奏が実現できるでしょう。
各パーツの役割
エレキギターやベースは、ピックアップで拾った弦の信号を各種ノブでコントロールします。
モデルによって異なりますが、 ボリュームやトーンをはじめとするノブ類、 ピックアップ・セレクターなどのスイッチ類が付いています。 また、楽器によっては、トレブル、ベース、バランサー、コイルタップなどが付いているモデルもあります。


ボリューム
音量をコントロールします。 時計回りに回すと音が大きくなり、 反時計回りに回すと音が小さくなります。
トーン
音質をコントロールします。 時計回りに回し切った状態で一番明るい音になり、反時計回りに回していくとソフトな音になっていきます。
ピックアップ・セレクター
音を拾うピックアップをセレクトします。 複数のピックアップの音を同時に拾えるポジションもあります。
ピックアップ
ピックアップは、エレキギター&ベースのボディに取り付けられた部品で、マイクの働きをします。
エレキ楽器は弦の振動をこのピックアップで拾って電気信号に変え、それをギター本体のジャックに接続したシールドケーブルを通してギターアンプに伝えて電気信号を増幅し、スピーカーから音を出すという仕組みになっています。
種類によってそれぞれ個性がありますので、ひとつひとつ見ていきましょう。
シングルコイル・ピックアップ


一列のポールピースを持つ細長い形状。明るくクリアなサウンドが特徴のピックアップ。
ハムバッキング構造に比べるとその構造上出力が弱く、ノイズを拾いやすい特性があります (一部ハムキャンセル構造のモデルもあります)。
一般的にキラキラ感があり、各弦の音の分離が良いのでコードの響きを聞かせるのにも向いています。
ハムバッキングピックアップ


二列のポールピースを持つ四角い形状が見た目の特徴で、太くてコシのあるサウンドが持ち味です。
シングルコイル・ピックアップに比べて出力が大きく、ノイズをキャンセルする効果があり、歪ませるのに向いています。主にレスポール・タイプなどで使用されます。
カバーが付いているものと、付いていないものがあります。
その他のピックアップ


ジャズマスターのピックアップやギブソンP-90のように、大型だけれどもシングルコイルピックアップ構造のもの、シングルコイル・ピックアップサイズで構造はハムバッキングピックアップというものもあり、それぞれに特徴的なサウンドキャラクターを持ちます。
またEMGなど、電池を使用し低ノイズやハイパワーなどを実現したアクティブ・ピックアップというものもあります。
ビブラート・ユニット
ギターのタイプによっては、トレモロアームが搭載されたモデルもあります。手で金属の棒を動かすことで弦の張力を変え、それにより音程を変化させます。
いわゆる、エレキギターといえばイメージされる「ギュワ〜ン」というアレです。
ボディ側のほうに倒してやるのがアームダウン、ボディ側からアームを引き離すように持ち上げるのがアームアップです。
シンクロナイズド・トレモロ

主にストラトキャスターに取り付けられています。
音程の変化が大きく、きちんと調整すればチューニングの狂いも少ない。 ウィルキンソンやフロイドローズなども、このシンクロナイズド・トレモロの発展形と言えます。
一般的なシンクロナイズド・トレモロでは穴にトレモロアームを入れ、くるくる回すとアームが入って行きます。好みの硬さになったところで止めてください。きつく回しすぎるとアームが折れてしまうこともあるのでご注意ください。
また、ウィルキンソンなど一部モデルではアームを差し込むだけのものもあります。その場合、差し込み穴の横にアームの回る硬さを調整する小さいネジが付いている場合が多いです。
ダブルロック式トレモロ

フロイドローズなど、弦をナット部分とブリッジ部分で固定してチューニングの狂いを解消しているユニット。激しく音程を上下させてもほとんど狂いはありません。
効果音のようなトリッキーなサウンドも生み出すことができ、主にメタル系やテクニカル系ギタリストに愛用されます。
またチューニングの狂いの少ないロック式という括りでは、ケーラー・ビブラート・ユニットもこれに含まれます。こちらはシンクロナイズド系のフロイドローズとは異なり、滑らかなアクションとしっかりしたボディ鳴りが魅力ですが、今日の市場では少数派です。
フローティング・トレモロ

フェンダー社のジャズマスターやジャガーに取り付けられたユニット。
差し込み式の長いアームの操作でテイルピースが動き、それに合わせてブリッジも前後することでチューニングの狂いを抑えています。
ブリッジからテイルピースまでの距離が長く、激しく弾くと弦落ちしやすいので演奏には慣れが必要です。また、ムスタングには同様の設計思想を持つ「ダイナミック・トレモロ」が搭載されています。
ビグスビー

ビブラートユニットの元祖的存在。
ギター本体に大きく改造を施さなくとも後付けでき、グレッチやギブソンレスポール、ES-335、フェ ンダーテレキャスター、エピフォンカジノなど、幅広いモデルに搭載されています。
そのクラシカルでロックな雰囲気をたたえたルックスや、取り付けただけで「高域がギラッとしたビグスビー特有の音色になる」とも言われ、実際にはアームをあまり使用しないギタリストにまでも熱烈なファンが多いというビブラートユニットです。
なお、弦の張替えはボールエンドを小さなピンに通して行うため、スムーズにこなすには慣れが必要です。
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