お待たせいたしました!2018年8月12日(日)秋葉原 Player’s Club IkeBECKにて開催された、幅広いスキルを持ち世界的な活動で知られるパーカッショニスト「Pete Lockett(ピート・ロケット)」氏、そして“aFrame”の開発に深く関わるパーカッショニスト:梯 郁夫氏をお迎えし行われた話題のエレクトロオーガニック・パーカッション“aFrame”クリニックのイベントレポートです!
“Pete Lockett aFrame Clinic in IkebECK Special Session with 梯郁夫” 2018年8月12日開催された、aFrameをフィーチャーしたクリニックです!1時間27分、たっぷりとお楽しみください!(2018年9月26日公開!)
まずは当日の機材紹介!Pete氏から。
○ Digitech Obscura [Delay] (右上)
※今回クリニックでは使用せず。
○ DOD Gunslinger [Distortion](右下)
○ tc electronic HALL OF FAME MINI [Reverb](下中央)
○ Donner Looper [Looper](左下)
iPhoneはバックトラックの再生に使用。
右下、d-01の表示があるペダルは、aFrame本体の音色切り替え用のコントローラー、aFrame PEDALSWITCH [MH-001]。
ヘッドホンはループ再生時などのモニタリング用。
○ tc electronic DITTO X2 LOOPER(左)
○ Line6 Relay G70 [Wireless System] ×2台(中央上)
○ モバイルバッテリー(中央下)※ 本体の電源に使用。
○ ミキサー(右)
そして本編!
まずは、ドラムステーション・コージー村上の口上から、熱気のこもった拍手に迎えられ、Pete Lockett氏がステージに登場!早速一曲目を披露です。
打面をスクラッチする事による効果音的なサウンドから、ルーパーを使用しフレーズを重ねる事で、リズムやベース、上モノまで全て“aFrame”とエフェクターのみで構築。
続けて2曲目。
本体内蔵のエフェクトを駆使したアンビエントな空気感から、飛び出すフルートやシタールのような生々しい音色!
本体のプレスセンサーを押さえる事でピッチを変えている様で、とても打楽器で演奏されているとは思えない内容!
思わず会場からどよめきが起こりました。
3曲目。
氏曰く、ガタム(インドの壷状の打楽器)を模した1音色で、ほぼaFrameのみを使用して表現するとの事。
インド的なリズムアンサンブルが繰り広げられますが、ガタムでは絶対に不可能な、タブラのようなピッチベンド奏法が飛び出します!
Pete氏による“aFrame”の解説を交え、続けて2曲。
伴奏としての“aFrame”の使用法という事で、バックトラックを流しながらの演奏です。
トラディショナルなアンサンブルにも、違和感なく溶け込んでいました。
ここで質疑応答。
Q. Peteさんは専門的なパーカッションのテクニックを多用されていましたが、ドラマーでもすぐに使用できそうな演奏法はありますか?
A. “aFrame”を足ではさんで、カホンのように使用する。シングルストロークの演奏でも十分使用可能。
Q. 演奏時のトラブルなど困った事は?
A. 多彩な音色が使用可能な分、どのような場面でどのような音色を使用するか、事前に頭の中を整理しておかなければならない。アドリブで対応しようとして、頭が真っ白になってしまった事があった。
Q. 尊敬するアーティストは?
A. 氏は19歳ごろパンクバンド(!)からキャリアをスタートさせ、今までの競演も多数に渡る為、尊敬するアーティストは非常に多いとの事ですが、特にインド音楽で尊敬するミュージシャンとして、世界的なタブラ奏者 Zakir Hussain(ザキール・フセイン)氏と、カンジーラの大家 G. Harishankar(G.ハリシャンカール)氏の名前を挙げておられました。
Q. 曲中のフルートやサントゥール(イランの打弦楽器)のようなメロディーはどうやって演奏されていた?
A. 4種類ある“aFrame”のレイヤーの内、使うのはほぼ、メインの1音色のみ。プレスセンサーでのピッチコントロールに音階を設定する。“aFrame”のPC用エディタを使用している時に偶然発見する事が多いとの事。
世界で最も多彩な活動をしているパーカッショニストの1人。 そのスキルは実に幅広く、北インドと南インドの伝統的なカルナティックとヒンダスターニの音楽から、伝統的な日本の太鼓の奏法、ブルース、ファンク、ロック、クラシック、フォーク、エスニック、アラビック、エレクトロニックまでをカバーしています。
Bjork, Peter Gabriel, Hariprasad Chaurasia, Robert Plant, Dido, Bill Bruford, Jeff Beck, Ustad Zakir Hussain, Pandit Jasraj, The Verve, Texas, Trans-Global Underground, Nelly Furtado, Lee Scratch Perry, Pandit Anindo Chatterjee, Roopkumar Rathod, Niladri Kumar, Primal Scream, Damien Rice, Dave Weckl, Thomas Lang, Jarvis Cocker, Craig Armstrong, Nicko McBrain (Iron Maiden), U Shrinivas, Ronan Keating, Vanessa-Mae, Errol Brown, Rory Gallagher, Pet Shop Boys, Hari Haran, 鼓童, Amy Winehouse, Mel C, A R Rahman, Sinead O'Conner ・・・ 等々。
■ 5本の007ボンド映画や他の多くのハリウッド映画に、エスニック・パーカッションの編曲者/演奏者として参加。
■ トルコ、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、カナダ、マレーシア、タイ、フォークランド、アルゼンチン、ヨーロッパ、インドなど世界各国での演奏活動。また、自身名義で20枚以上のCDをリリース。
■ ロイヤル・カレッジ、バークリー・スクール・オブ・ミュージック・ボストン、ロンドン・ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージックをはじめ、ワールドワイドで教鞭を執る。
■ ドラム雑誌へのテクニック記事の執筆は100以上。(米国 ”MODERN DRUMMER” 含む)
■ 2008年:オランダの音楽出版社から「Indian rhythms for the drum set’ (Hudson)」 を出版
■ 2012年:iTunesのパーカッションアプリ「DrumJam」をリリース。
■ 2014年:最初の長編小説「A Survivor’s Guide To Eternity」を出版。
■ Remoヘッド、LPパーカッション、Sabianシンバル、DWドラム、Vic Firthスティック、ATV aFrame エンドーサー
東京音楽大学打楽器科卒業。在学中より演奏、作曲活動を開始、同大パーカッショングループ演奏会にて作品を発表。1985年打楽器新人演奏会出演。(自作自演)民族音楽から現代音楽、ポップミュージックまでジャンル越えたパーカッショニストとして、数々のコンサート、スタジオワークに参加。ロック、ジャズ、ポップス、クラシック、邦楽等、あらゆる 分野のアーティスト、舞台、映画音楽からTV、CM音楽などに関わって来た。特にレコーディングに於ける斬新かつ的確なアプローチには、多くの作編曲家が厚い信頼を置いている。そして自身の活動の場として、1992年に青山円形劇場にてスタートした「PERCUSSIVE MOVEMENT」は自ら企画構成、作曲、演奏するコンサートとして、打楽器アンサンブルの新しいスタイルを提示。
■ CD:ソロアルバム「Percussive Graphics」(Eye’s Project Label / Kim Co.Ltd )、「Art of Percussion」(Atelier Vision BGM Artist Series)
■ 打楽器アンサンブル曲「Drum Tints」「Percussive Conference No.1」「Drum Next Door」等、多数。
2017年度グッドデザイン賞を受賞しました。aFrame はプレーヤー本来のフィーリングを損なうことなく、アコースティック楽器の感覚で演奏できる今までにない全く新しい電子楽器です。
エレクトロオーガニック・パーカッション『aFrame』のグループ切り替え用フットスイッチ。