KUROBO HANDPAN “SHU”
ハンドパンセミナー・レポート
2018年7月26日にドラムステーション渋谷店・2階パーカッションフロアにて行われた『KUROBO HANDPAN SHU氏による、初心者の為のハンドパンセミナー』、その様子をご紹介いたします!!
まずは、今回のセミナーの講師であるSHUさんをお招きし、早速ハンドパン演奏からスタート!
指先だけでなく全身を使って表現する奏法によって奏でられた、繊細さも力強さも持ち合わせたそのサウンドは、お客さまはもちろんスタッフも息を呑み言葉を失う程...。
ハンドパンのなんとも形容し難い音色の美しさに、その場に居た全員が一瞬で引き込まれました。
30分ほどの演奏が終わると、続いてはハンドパンの解説をしていただきました。
スチールパン等を製造しているスイスの楽器メーカーによって開発された「ハング」が元になっているという事や、その製造方法等を詳しく説明して下さいました。
今回のセミナーでご用意させていただいたハンドパンはタイ産が2台とクロアチア産が2台。
左から、クロアチア / タイ / タイ / クロアチア です。
※ ちなみにSHUさんのハンドパンはご友人から譲り受けたというイギリス産のものだそうです。
タイ産・クロアチア産と2種類の個体の表面が違う事についてお客さまよりご質問をいただき、その理由は材質であるスチールの配合や熱処理の違いなどによるもので、その熱処理によって表面が錆びにくくなっていると説明して下さいました。
熱処理をすると多少音程にズレが生じる為その都度チューニングをし直し、再び熱処理、チューニング・・・と繰り返し行われ、強度を上げていきます。
また、ハンドパンは1つの音を鳴らした際、例えばCの音を鳴らすとC以外のいろんな音(倍音)が同時に鳴ります。
この倍音がハンドパンの最大の魅力となっているため、Cの音程はもちろん、倍音も綺麗に鳴るよう、手間と時間をかけた非常に繊細な作業が必要になります。
昨今、徐々に知名度が上がってきている中、現在では全世界に100社程のハンドパンメーカーがあるにもかかわらず、世の中に出回っている数が少なく、値段も下がらない理由はそういう事かと皆さま納得されておりました。
なかなか安いとは言い難い楽器ですが、弦やヘッド等の消耗品がなく、チューニングの必要もないので、長い目で見ればコストかからない楽器、それがハンドパンです!
続いてハンドパンの奏法や練習方の解説。
まずは人差し指・中指を使った奏法、そして親指を使った奏法の、それぞれの利点を実演付きで説明して下さいました。
また、音階の配列や、音数が少ないハンドパンならではの簡単なメロディの奏法も伝授してくださり、初めてハンドパンを触ったというお客さまも楽しそうに演奏していました。
スイス発祥の楽器ですが、今ではヨーロッパや中東などさまざまな国で造られております。
造られる国によって音階に民族性が出ているのも、この楽器の面白さの一つだと、SHUさんは熱く語っていました。
最後に1曲だけ演奏をお願いしたところ、快く引き受けて下さいました!
指の当たる場所や強さ、指の柔らかさ等、同じ個体でも奏者によって鳴る音が変わるのが面白いですね!
ハンドパンは音数が限られているため、どんな手順で鳴らしても“それっぽく”鳴ってくれるのが魅力。
当日いらっしゃっていただいた参加者の方々は終始非常に熱心にSHUさんのお話を聞き、楽しそうにハンドパンに触れておりました。
今回のセミナーでまた一段とハンドパンに興味を持っていただければ幸いです。
SHUさん、ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました!