ベースステーションリボレ秋葉原 鹿子木 のレビュー
2020年に静岡県浜松市で発足した、ビルダー宮崎駿也氏による国産ベースメーカー Minamo Guitars。
新進気鋭ながらそのクオリティの高さで近年注目を浴びているブランドです。

こちらの S2-5st は、Minamo Guitars の看板的なモデルを!ということでストレートな仕様でオーダーしました。奇しくもタイミングが重なり、前モデル Synergy から S2 へとモデルチェンジを果たした最初(!)の個体です。

では早速、ボディから見ていきましょう。
立派なウェンジをトップにバックにはアルダーを採用。このウェンジの杢目がもうすでに良すぎる…。
このトップのウェンジの音の「コツン」というような成分がいい味を出していて、音のアタックの部分とサスティンの伸びが本当に気持ち良いです。アルダーの粘り気とうまく合わさって、クリアながら軽すぎない絶妙なバランスが保たれています。

ネックはローステッドメイプルをウェンジで挟んだ3ピース構造。この硬質でがっしりとした安定感のあるネックに、指板はインディアンローズウッド。
ここでも硬さと温かみの絶妙なバランスがとられています。このネックのメイプルにはカーリーメイプルが使用され、美しい縮れ杢がはっきりと現れています。さらに指板のバインディングやポジションインレイの枠にもカーリーメイプルを贅沢に使用。
ネックの形状も太すぎず薄すぎず、自然と手にフィットしてくれるのでストレスなく弾いていられます。

ピックアップはEWG 40TW ×2 に、プリアンプにはHampback 2×2 を搭載。
40TWはデフォルトでシングルに設定されており、ノブを引き上げることでハムバッカーになるのでブースト感覚で使えます。フロント、リアそれぞれ別々に変えられるので、JJ / JH / HJ といった具合に組み合わせられるんですね。フロントを切ってリアのみをハムにすれば、さながらStingRayのようなバチバチのサウンドもお手のもの。EMGのもともと太く明るくタイトなサウンドが、上記の木材構成とのバランスで非常にクリアなトーンを実現しています。
さらに Hampback 2×2 はバックパネルからブーストの帯域やQまで、これでもかというくらいに細かく設定できるので、音作りにも隙なしです。

ペグはHipshot製ウルトラライトを採用しヘッド落ちを防止。ヘッド角はなく、あえてテンションピンをつけずにペグそのものをヘッドに落とし込むことで、余計な摩擦を減らし弦のストレスを軽減させながらテンションもしっかり稼ぐという超合理的な設計になっています。
また、B弦のみボディのバックではなく底部から浅い角度の裏通しとなっており、ここでもノンストレスでテンションが稼がれ、LowBの鳴りとサスティンに寄与しています。

そしてこのヘッド、トップのウェンジとバック材との間にはなんと極薄のカーリーメイプルがラミネートされていたりします。細かい部分ながら、これがあることによってヘッドの存在感をより際立たせています。さらにロゴはアルミ削り出しのプレート。先述のカーリーメイプルのバインディングもそうですが、細かなデザインにもこだわり抜かれていて、職人の技術を感じられます。

とにかくクリアなサウンドが特徴なので、ジャズやフュージョン、ゴスペル系などのジャンルには相性バッチリです。コード弾きも綺麗でとても心地良く鳴ってくれます。
個人的にはバンド系でゴリゴリ弾くのも意外とアリだと思っています。クリアでモダンな音なので抜けもいいですし、それゆえ少し歪ませるイイ感じに歪みが乗ってくれたりもします。

随所に徹底的にこだわりとビルダーの魂をひしひしと感じる1本。このクオリティは間違いありません。
一度弾くと時間を忘れてずっと弾いてしまう。そんなベースなかなかないと思います。
とにかく、触ってみればその弾き心地に一発で魅了されるはずです。
店頭でお試しも出来ますので、是非。
by
レビュー詳細ページ| ギターやベースなどの楽器販売・買取・エンタメなんでも揃う日本最大級の楽器専門店。
鹿子木

鹿子木

ベースステーションリボレ秋葉原

>>スタッフ紹介

2020年に静岡県浜松市で発足した、ビルダー宮崎駿也氏による国産ベースメーカー Minamo Guitars。
新進気鋭ながらそのクオリティの高さで近年注目を浴びているブランドです。

こちらの S2-5st は、Minamo Guitars の看板的なモデルを!ということでストレートな仕様でオーダーしました。奇しくもタイミングが重なり、前モデル Synergy から S2 へとモデルチェンジを果たした最初(!)の個体です。

では早速、ボディから見ていきましょう。
立派なウェンジをトップにバックにはアルダーを採用。このウェンジの杢目がもうすでに良すぎる…。
このトップのウェンジの音の「コツン」というような成分がいい味を出していて、音のアタックの部分とサスティンの伸びが本当に気持ち良いです。アルダーの粘り気とうまく合わさって、クリアながら軽すぎない絶妙なバランスが保たれています。

ネックはローステッドメイプルをウェンジで挟んだ3ピース構造。この硬質でがっしりとした安定感のあるネックに、指板はインディアンローズウッド。
ここでも硬さと温かみの絶妙なバランスがとられています。このネックのメイプルにはカーリーメイプルが使用され、美しい縮れ杢がはっきりと現れています。さらに指板のバインディングやポジションインレイの枠にもカーリーメイプルを贅沢に使用。
ネックの形状も太すぎず薄すぎず、自然と手にフィットしてくれるのでストレスなく弾いていられます。

ピックアップはEWG 40TW ×2 に、プリアンプにはHampback 2×2 を搭載。
40TWはデフォルトでシングルに設定されており、ノブを引き上げることでハムバッカーになるのでブースト感覚で使えます。フロント、リアそれぞれ別々に変えられるので、JJ / JH / HJ といった具合に組み合わせられるんですね。フロントを切ってリアのみをハムにすれば、さながらStingRayのようなバチバチのサウンドもお手のもの。EMGのもともと太く明るくタイトなサウンドが、上記の木材構成とのバランスで非常にクリアなトーンを実現しています。
さらに Hampback 2×2 はバックパネルからブーストの帯域やQまで、これでもかというくらいに細かく設定できるので、音作りにも隙なしです。

ペグはHipshot製ウルトラライトを採用しヘッド落ちを防止。ヘッド角はなく、あえてテンションピンをつけずにペグそのものをヘッドに落とし込むことで、余計な摩擦を減らし弦のストレスを軽減させながらテンションもしっかり稼ぐという超合理的な設計になっています。
また、B弦のみボディのバックではなく底部から浅い角度の裏通しとなっており、ここでもノンストレスでテンションが稼がれ、LowBの鳴りとサスティンに寄与しています。

そしてこのヘッド、トップのウェンジとバック材との間にはなんと極薄のカーリーメイプルがラミネートされていたりします。細かい部分ながら、これがあることによってヘッドの存在感をより際立たせています。さらにロゴはアルミ削り出しのプレート。先述のカーリーメイプルのバインディングもそうですが、細かなデザインにもこだわり抜かれていて、職人の技術を感じられます。

とにかくクリアなサウンドが特徴なので、ジャズやフュージョン、ゴスペル系などのジャンルには相性バッチリです。コード弾きも綺麗でとても心地良く鳴ってくれます。
個人的にはバンド系でゴリゴリ弾くのも意外とアリだと思っています。クリアでモダンな音なので抜けもいいですし、それゆえ少し歪ませるイイ感じに歪みが乗ってくれたりもします。

随所に徹底的にこだわりとビルダーの魂をひしひしと感じる1本。このクオリティは間違いありません。
一度弾くと時間を忘れてずっと弾いてしまう。そんなベースなかなかないと思います。
とにかく、触ってみればその弾き心地に一発で魅了されるはずです。
店頭でお試しも出来ますので、是非。

ベースステーションリボレ秋葉原 鹿子木 のレビュー 2025/06/13

OTHER REVIEWSこのスタッフの他のレビュー

  1. 鹿子木のレビュー画像
    鹿子木

    鹿子木

    ベースステーションリボレ秋葉原

  2. 鹿子木のレビュー画像
    鹿子木

    鹿子木

    ベースステーションリボレ秋葉原

  3. 鹿子木のレビュー画像
    鹿子木

    鹿子木

    ベースステーションリボレ秋葉原

  4. 鹿子木のレビュー画像
    鹿子木

    鹿子木

    ベースステーションリボレ秋葉原

  5. 鹿子木のレビュー画像
    鹿子木

    鹿子木

    ベースステーションリボレ秋葉原