1950年代のサーフミュージック流行の最中にセールスを伸ばしたJazzmaster(ジャズマスター)に続き、1962年にはFenderギターの最上位機種として『Jaguar(ジャガー)』が発売されました。発売当初からカスタムカラーのオーダーも多く、うまく流行に乗りセールスを伸ばしたものの、後に世界的に流行したロックミュージックにはギターの特性も合わず、1970年代半ばに生産が打ち切られました。その後、グランジ/オルタナを代表するカリスマの出現によりジャガーは再注目され、現在の多様なミュージックシーンにうまく溶け込みながら存在感を放ち続けるモデルです。
今回は1963年出荷の素晴らしい1本がアメリカより届いています。マッチングヘッド仕様のキャンディアップルレッドカラーとなります。キャンディアップルレッドカラーは1963年に正式にラインナップされたカスタムカラーで、現在でも高い人気を誇る色ですね。コンディションも良好で、当時のタグも残った、コレクターアイテムとしても優秀な1本です。
【ボディ】
全体重量は約3.9kg。しっかりした深みのある色合いの赤いメタリックがとても映えます。打痕、それに伴う塗装剥げ部分、ゴム焼け部分、金属パーツのくすみ等がみられ、ヴィンテージらしい雰囲気を持ちつつも塗装面の艶も良好で、かなりきれいなコンディションをキープしております。ミュート装置は現在外されていますが付属します。
【ネック】
ラウンド貼りローズウッド指板/クレイドットポジションマーク仕様の魅力的な1本です。きれいなメタリックレッドのヘッドストックに貼られた初期トランシジョンロゴは、少々のかすれ程度で比較的きれいに残っているのが嬉しいですね。チューナーはシングルラインのクルーソンデラックス、巻き具合にバラつきはあるもののしっかりと機能しています。フレットはいちど交換されているようで、現在はそれほど減りもなくプレイアビリティは良好です。ヘッド厚13.2mm、ナット幅40.6mm。適度なネック厚のくせのないネックシェイプが特徴です。6~7フレット付近のネック裏に、深めの打痕がみられます。素敵なフィンガーボード材はこの時期ならではですね。
【電装系】
ピックアップは過渡期の仕様のせいか、若干フラットポールピース気味のブラックボビン、艶やかでハリのある独特のサウンドが特徴といえるでしょう。24インチスケールならではの、サスティン短めの独特な歯切れの良い個性的なサウンドながら、そのスピード感とリッチなトーンはやはりヴィンテージならではです。
ホワイトトーレックスケース付属
Weight:≒3.9kg
Body Material:Alder
Neck Material/Scale:Maple 1 piece/609.6mm(24inch)
Fingerboard/Inlay/Radius:Rosewood round laminate/Clay dot/184mm(7.25inch)
Nut Width/Fret Width:40.6mm/2.1mm(replaced)
Neck Thickness(1F/7F/12F):21.0mm/23.1mm/24.7mm
Pickup(Neck/Center/Bridge):Fender Black Bobbin Jaguar(6.7kΩ/6.5kΩ)
※ピックアップの直流抵抗値はコントロール部を通した計測となります