■Xotic AH Booster(AHB)
「ブースター」と聞くと、とにかくアンプに対して全域にクリアーで「ドンッ」と強くプッシュするイメージを持たれがちですが、このAHは老獪でシルキー、滑らかな印象。
この、ギターが歌う様にフレーズがミッドレンジ帯を行き来する様なトーンは、さすが「ミュージシャンモデル」の音決めの技ですね。
この4つノブのブースターシリーズはトーンが秀逸で、トレブルとベースの2バンドがセンタークリックでブースト/カットになっているのが良い。
1ノブ「TONE」機能では行き届かない、細やかなEQセッティッグが出来ます。
中央のコンプ切り替えによるニュアンスの幅も心地よく、JCの様にブライトネスなアンプとの組み合わせではCOMPモードで、柔らかな何かで包み込んであげる様なイメージのトーンが好きですね。
Boosterにカテゴライズされてはいますが全く歪まない訳ではなく、今は無きAC Booster程にはゲインが上がります。
柔らかな傾向なので、以下のお悩みにも改善の糸口の1つになるかもしれません。
●リードでブースターを踏みたいのに
・バンド内の音量制限が何となくある
・仕事上(現場上)で強いヌケ感出せない
・ボーカルを飛び越えない(前に行かない)程度に存在感を出したい
・音の混じり合いの良さを出したい
などなど。これ以上ムリにひねり出していくとただのヘタな大喜利になってしまいそうなのでこの辺でやめておきます。
さらに、AHも18V駆動が可能です。音の帯域が上下に広がり、ミッドレンジの出方がよりスムーズになります。
それにより聴感上でゲインが落ちる印象ですが、逆を言えば「音が澄んでくれる」ので常時ONの2band-EQ付きローゲイン・プリアンプにもなります。
アメリカンヴィンテージ系コンボの様な経年変化系のニュアンスも所々に感じますので、「いい感じのシルキーさ」でギラついた所を相殺したい場合も有効的かと思います。
使い心地の良い1台です。
是非お試しください。