■Universal Audio
UAFX Knuckles
それまでステージに陣取っていた数多の歪むアンプ達をぶち破ってしまった、当時センセーショナルなデビューを飾った1992年のMesa/Boogie Dual Rectifier。
元はと言うとJazz系に向けたムーディーで甘いチューブトーンが得られる、整流管を使用したオールチューブアンプと言う設定でした。
なので名前が整流管(レクティファイア)が付けられています。
その「レクティファイア」回路を使わずダイオード回路にし(切り替え可)、さらには「ムーディーで甘いチューブトーンが得られる」スポンジ・モードを使わずに100%フルで機能するボイルド・モードにすると、とんでもなくヘヴィーで強烈なディストーションが得られる事から、当時生まれた新しいジャンル「アメリカン・ニュー・メタル」のギタリスト達が挙って使用したのを切っ掛けに日本でも爆発的な人気を博し、入荷待ち入荷待ちで早く欲しいのに中々手に入らないアンプの代名詞にもなりました。
と言うアラフィフおじさんの過去回想は置いておいて、
このKnuckles、音色設定が良く出来てますね。弾いていてワクワクします。
当時はこのぐらい低音が出ていた事に驚いたものです。今の機材は「ローは切る」が割とデフォだったりするので、そりゃ当時のバンドさん達はよくベースと喧嘩別れするギターが多かったなと(笑)
音を切る際に音が太過ぎてちゃんとブリッジミュート出来てなかったり、リフではベンドを丁寧にしないと付随する音残り(余韻)がたっぷりと余計な部分に襲い掛かってきます。その辺も良く出来てます(涙)
このボリューム感のあるビッグトーンをシミュレーション機材で再現出来ると言うのは、なかなか嬉しいですね。実音出せないですから、うるさ過ぎて。
ただし、歪みだけではなくこの独特のクリーンもいいのです。ゲイン抑え目のクランチも厚みがあり伸びやかでグッド。
今剛さんの機材には長年このデュアルレクチが入っていました。ヘヴィなロックだけでは無く、実に色気のあるチューブトーンを奏でていましたね。今井美樹さんのツアーでも長年デュアルレクチでした。
1990年代から2000年代初頭まで1つの時代を作ったモンスターハイゲインアンプ。新しい若い世代の皆さま、是非お試しください。