■Marshall
DSL Overdrive Pedal
ジム・マーシャルの名前が入った最後のシリーズ「JCM2000」、その中のDual Super Lead モデル:DSL。
クリーンはクラシックと言う名のチャンネルで、ノーマルと+ブーストの2段階。このノーマルのクリーンがそれまでのJCMと比べてレンジが広く、エフェクター受けが良く、使い勝手の良いチャンネルでした。
+ブーストも隠れファンが多いモードで、芯の太いダーティーな「ややクランチ」が特徴。一時期マイケル・ランドウ氏がここを軸に音作りしていましたね。ランドウファンのお客さまから熱心に教えて貰ったものです。(後にフェンダーのクリーンにCOT50を常時オンにして、同じ状況っぽくしていく流れに移って行ったのです。余談。)
リードはモダンと言う名のチャンネルで、同じくノーマルと+ブーストの2段階。
それまでのJCMと比べてレンジが広くなった事で、太さが加わり、反面でマーシャルらしい「点で鼓膜に突っ込んで来る」様な痛い音は出なくなりました。
+ブーストでは壁の様な厚いサウンドになり、同様にそれまでのマーシャル感からは離れたドライブサウンドになりました。
800や900で音作りしてきたエフェクトボードをそのまま使うには点でお角が違うと、当時は文句を言われたものです。
CH1とCH2で位相が反転してるのが判り易いのも嫌がられました。
ここで救世主が登場します。神の1人、ジェフ・ベック。
彼がDSL50(プロトタイプだったか、本人用にチューニングを若干変えていたか)を選んだのです。
後のMagnatone SUPER FIFTY-NINE(DSL50の回路がベースと聞いています)に繋がっていくわけです。
この辺りからDSLのリードトーンの使い方、捉え方が変わってきます。
ストラトで指弾きでアームでヴィブラート掛けて、、、えぇ、非常にミュージカルでスイートな音になるじゃないですか。
また、当時はラウドなサウンドに世のムーヴが移っていったのも手伝い、音作り自体に大きな変化もあって、厚い音がするDSL100/50はどんどんと受け入れられて行きました。
そんなこんなで歴代マーシャルの中でもある種異彩を放ちながらも定番モデルの1つになったDSL。
そんなスイートで濃厚なドライブトーンがこの箱に詰まっています。
何卒。