今では確固たる地位を築き、スタンダードなギターブランドの一つになった "Paul Reed Smith" 。
アッセンブリパーツ、ペグやストラップピンまで独自で設計されたパーツを使用しているのも大きな特徴の一つです。
こちらは現代の音楽シーンもトップで駆け抜ける現代の3大ギタリストの一人 "John Mayer(ジョン・メイヤー)" のハイコストパフォーマンス・シグネチャーモデル。
氏いわく「大好きなビンテージギターのフィールと、モダンな美しさが融合されたギターを作りたいというのは、僕自身が長い間抱いていた夢だったんだ。」とのことで、
コストダウンしながらも随所に強いこだわりを受け継いだ、もはやコスパモデルなのか…?!とも感じられる一品です。
またシグネチャーモデルとしては珍しく、モノトーン調から色鮮やかなカラーまでかなりのバリエーションを揃えており、
ここからも単なるアーティストモデルではなく、万人に使えるスペックを備えていることがわかります。
一番のポイントでもあるPUには、SEモデル専用に開発された『635JM "S" 』を採用しています。
「廉価用に作られたPUかな?」と高を括ってましたが、これは本当にいいPUです。
ヴィンテージの雰囲気ながら扱いやすいモダンさもあり、かなり幅広いジャンルで使えるサウンドに仕上がっています。
アンプから音を出したとき冗談抜きで驚かされました。見くびってホントごめんなさい…
指板インレイは小さめのバードインレイを採用し、気品のある佇まいをしております。
こういった点もジョン氏の普段の好みが垣間見えます。個人的にかなりツボです。
そしてブリッジ。2点支持トレモロをジョン本人こだわりのベタ付けでセッティングし、弦振動がよりダイレクトにボディに伝わるように配慮されています。
(実際に弾いてみるとこれがまたいい鳴りで…)
続いてリバースヘッドシェイプに注目してみます。
特筆すべき点は、ナットからチューナーまでの距離を稼いでいるところです。
よくある1弦のテンション足りない問題を、弦の巻き数ではなく距離で補っているところは「その手があったか…!!」と脱帽しました…
そしてなにより驚いたのが "インドネシア製" 。
少し前まで「安いビギナーモデル=アジア製」というイメージが強かったですが、そんなイメージを覆すくらいクオリティが高いです。
正直、最近は生産国なんてあんまり参考にならないなぁ…と感じたくらいです。
他にもプラグの抜き差しがステージ上でもスムーズに行えるオリジナルデザインのジャックプレート等々…挙げればキリがないほど随所までこだわりが詰められたモデル。
ただの廉価モデルとして片づけるにはあまりにも惜しいと思える、オススメのハイコストパフォーマンスギターです。