「当時の新品もこんな感じだったんだろうな…」
ラジオなどの修理や販売を行っていたレオ・フェンダー氏が、1946年に創業した "Fender" 。
噂だとギターのチューニング方法を知らなかったレオ氏ですが、今では定番モデルといえるギターやベース、アンプを数多くこの世に送り出しました。
こちらはUSA製モデル "American Vintage II 1957 Stratocaster" 。
American Vintage IIシリーズは当時の仕様を忠実に反映しており、フェンダーの中でも人気があります。
(店頭にもストラトモデルは二本しか残ってなく…)
ルックスはこれぞエレキギターといった形状のダブルカッタウェイシェイプ。
テレキャスターのほうが誕生は早いですが、ストラトのほうが多くの後世のギターの基になっているといっても過言ではないです。
またモダンなスペックなどの様々なシリーズが出てもオリジナルの仕様が非常に人気があるのは、誕生当初からストラトキャスターの完成度が高いことが伺えます。
PUは "Pure Vintage ‘57 Single-Coil Strat" を搭載。
スタッガードポールピースにアルニコ5マグネットを採用し、しっかりした音の芯がありながらも程よく枯れたニュアンスを持っているので、扱いやすいヴィンテージ志向のPUです。
(単体でも売っているので手持ちのギターに載せるのもオススメです)
そしてネックシェイプは、当時の形状を再現した "1957 V" 。かのエリック・クラプトン氏が好むネックグリップとしても有名です。
当時はカントリースタイルのギタリストも多く、コードを押さえたり、指板の端に親指をかけて弾くスタイルに向いている仕様です。
ブリッジにはコールドロールド(冷間圧延)スチールブロックを採用しています。
冷間圧延とは常温のまま材料をローラーにかけて加工する方法で、これにより成型後の精度と密度が高くなっております。
まさしくトレモロブロックにうってつけな一品です。
塗装はニトロセルロースラッカーフィニッシュ。ボディ本来の鳴りを発揮しやすく、使い込むほど塗装剥げなどのエイジングがされやすいのも特徴です。
最近は薄くてもしっかり耐久性のあるUV塗装が広がっていますが、このラッカー特有の手になじむ感じは個人的に好みで、よりサウンドに生々しさを感じます。
ヴィンテージ品はメンテナンスも大変だったり今やとても値段が高く簡単には手が出せないですが、このギターをずっと使い続けて気づいたらヴィンテージになっていた…なんて話も面白いかもしれません。
古き良きフェンダーのトーンとフィーリングをしっかり受け継いで再現し、現代のギタリストのニーズに応えた一本です。