マンドリンの製造から始まり、今ではフェンダー同じくと二大ギターブランドとして有名な "Gibson" 。
実はバンジョー等も製作し、ギターだけでなく幅広い楽器製作を行っております。
こちらはPRSなどにも大きな影響を与えた、ギブソンの伝説的な元社長 "セオドア(テッド)・マッカーティ" が、約70年ほど前にデザインした "Theodore" のUSAモデル。
新鮮なボディシェイプに味がある雰囲気で、貫禄がありながらもポップなデザインに仕上がっています。
まずは特徴的なボディの細部から。
ボディトップのエルボーに当たる部分が丸く仕上げられており、個人的にとても嬉しいポイントです。
エッジが立っていると長時間弾くとどうしても痛くなってしまうので、これはありがたい配慮です。
(弾きまくってエッジが削れたのもカッコいいですけどね)
続いてピックアップ。ギブソンの中でも評価の高い '57 Classic(ネック)、'57 Classic Plus(ブリッジ) を採用。
どちらもAlnico IIマグネットを採用し、ヴィンテージPUのような生々しいニュアンスながらも音づくりしやすいサウンドが特徴。
リア側はコイルの巻き数を増やし、少しパワーを上げております。
マホガニーボディとPUが相まって、少しボディ厚がありながらも、比較的軽やかな印象のサウンドです。
レスポールほど音色に重い印象はなく、SGのようなギラつきもない、合いの子のような感じ…と言ったら伝わるでしょうか。
オーバードライブぐらいで歪ませると気持ちいいドライブサウンドを奏でてくれます。
ヘッドデザインもエクスプローラー型のシミタール・ヘッドストックを採用し、デザイナーモデル(フライングVやファイヤーバード等)の色がより濃く出ております。
丸めのボディデザインにスタイリッシュなヘッドを採用と、ここでもテッド氏のセンスが輝いてますね…
ちなみに最初の構想では、2ボリューム 2トーンにトグルスイッチもカッタウェイ付近で、オプションで6弦側にも配置できる仕様だったようです。(※画像9枚目参照)
以前発売されたカスタムショップ製のセオドアも、アッセンブリ類はトグルスイッチの場所以外はそのまま再現されています。
他にもボディにアルダー材が採用されたりと…開発プロジェクトの絶頂期でいろいろと模索しているということが、当時のスペックに表れております。
幻のデザインをただ復刻するだけでなく、随所に使いやすいようモダンなアップデートがされた "Theodore Standard" 。
当時の雰囲気を損なうことなくパフォーマンスを高めた、イカした一本です。
※参考画像 Gibson HP「― 伝説の回帰 ―ギブソン・カスタムショップ "THEODORE"(セオドア)」より
https://gibson.jp/archive-collection-theodore