『いつもとは一味も二味も…いやかなり違う "j.custom" 。』
世界中から支持者が多く、様々なジャンルで愛用者の多いギターブランド "Ibanez" 。
巷ではビギナーモデルからフラッグシップモデルまでよく見かけ、このブランドが幅広い層に愛されているのが表れています。
こちらは国内の工房で製作される、アイバニーズの顔といっても過言ではないフラッグシップシリーズ "j.custom" モデル。
さらに、よりブランド・アイデンティティを具現化したシリーズ "Axe Design Lab" の一品 。
(ちなみにAxe Design Labは j.custom以外でもラインナップがあります)
「たしかに見た目はちょっと違うね」と思われるかもしれませんが、実はかなり細かいところまで通常のj.customとは違います。
なかなかの量なので、一つずつ見ていきます。
まずはボディから。フレイムメイプルトップにこちらはアルダー材をボディバックに採用。さらにチャンバード加工を行い、木材の音響特性を損なわずになるべく軽くしようと工夫されております。
また "Deep and beveled lower horn scoop" という加工で1弦側カッタウェイ部を深く削りあげ、ハイポジションがより弾きやすくなっています。
パッとみると「たしかに深いね」といった感じですが、手にするとかなり弾きやすく…これはとても大きいポイントです。
続いてネックを見てみます。写真では伝わりづらいのですが…なんと左右非対称シェイプを採用。
ネック厚は通常と同じなまま、6弦側に向かって丸みを帯びている形状になっています。薄いネックなのにそんなことができるの…?!
こちら握ってみると…これはテクニカルプレイがやりやすい!公式にも書かれている通り、ワイドストレッチやスウィープにはもってこいです。
さらに親指をかけたり、握りこむタイプのコードプレイもやりやすいです。これはまさしく一石二鳥…!!
そしてサウンドの要のPU。
通常と異なる点は、フロントに低出力で暖かみのある甘いトーンが特徴の "DiMarzio PAF 36th Anniversary" を搭載。
アルダーボディのミッドレンジと相まってピッキングニュアンスが出しやすくなっており、ローゲインで味のあるプレイも可能です。
さらにフロント&リアPUのコイルタップ・スイッチを搭載しているので、音作りの幅がより広くなっています。
コイルタップすると、クリーンは煌びやかで、クランチはカッティングがメチャ気持ちいいです。モダンさもしっかり残っているので、どんなジャンルでもいけます。
(個人的にはコイルタップしたときの音が味があって好みです)
ちなみにハーフポジションはスイッチON/OFFにかかわらず、ハムバッカーはコイルタップになります。
最後にルックス。
ハードウェア類のカラーにサテンブラックを採用し、グロス仕上げと違いギラつきを抑えて落ち着いた印象があります。
さらにPUもリア側のみカバードを採用しております。このハズし方最高ですねぇ…
ちなみに通常のj.customにも採用されていますが、ノブに落とし込み加工をおこない、アーミングした際に手に干渉することが極力無いようにできるだけ低く、回し難くないギリギリの高さになるように配置されています。
作りこみにも驚愕ですが、これは使ってみるとより一層スゴさを感じます。
Axe Design Labを知らない人には「あのjカスなんか違うぞ…」と、知ってる人には「うお、スペックすげえヤツじゃん!!」ってなります。
もちろん人に見せなくても、これだけのこだわりが詰められているので持っていてかなり満足感があります。
「その時代のプレイヤーの創造性とパフォーマンスを最大限に引き出すこと」を使命としているアイバニーズ。
冒頭にも述べましたが、まさしく "ブランド・アイデンティティを具現化した一本" に仕上がった当モデル。
「全ては今を生きるプレイヤーとその音楽の為に。」そんな言葉がまさしくピッタリな一本です。