ロックハウスイケベ池袋 江原 のスタッフレビュー
ロックハウスイケベ池袋ギター担当/江原(えはら)です。
今回はちょっと趣向を変えて「Gibson Custombucker」とはなんぞや?というお話です。
(書き始めたらめっちゃ長くなりました・・・ご興味あれば最後までお付き合い下さい)

超有名&伝説的な「PAF」をGibsonが再現したという一品、「PAF」系っていっぱいありすぎて正解がわからないですよね・・・
PUに使われるマグネットは永久磁石とはいえどんどん減磁(磁力が弱くなる)するので、作られた当時の「スペック」から再現するのか、それ以降10年くらい経ってから伝説的なギタリスト達が使われた時の「音」を再現するのか、現存する個体の「今ある数値」から再現するのか・・・
他メーカーからもたくさん「PAF」系が出ていますが色々な志向が垣間見えて面白いですね。

正解の在り方はさておきとりあえずカタログスペックを見てみましょう。

Position: Any
Magnets: Alnico 3
Wiring: 2-Conductor
Unpotted
Average DC Resistance: 8.0K

アルニコIIIマグネットを使用しています。
アルニコマグネットはIIIアルニコマグネットは「アルミニウム」「ニッケル」「コバルト」の合金で配合率があーだこーだ~というお話は難しいし出来ないので割愛しますが名前の由来なので覚えてると小ネタになります、たぶん。

そう、最弱のマグネットを使用されています。
「弱い」と聞くとあんまりいい感触が沸かないかもしれませんが「強い」からって良い訳でもないんです。
弦の振動を拾うので磁力が強いと振動の妨げになってしまったりしてサスティーンが弱くなったり・・・
よわよわですがそれ故にギター本体の鳴り方を十分に活かしたナチュラルなトーン、サスティーンが得やすくなっている印象です。

「Unpotted」がなんの意味かといいますと「蝋付け」をしていないものになります。
多くのPUは弦以外の振動を拾わないように隙間を埋める為に文字通り蝋につけています。
蝋付けしていないPUなので爆音・激歪みで鳴らすのはちょっとコツが必要ですね。
メリットとしてはピッキングへの追従性の向上、出てくるサウンドが早く感じられる点です。

「Average DC Resistance」は平均直流抵抗値です。
直流抵抗値がなんぞやといえば簡単にいえばPUのパワーを数値化したものと思って頂ければと思います。
ヴィンテージ系が7-9k程、激歪みつよつよPUだと12-16kぐらいになったりします。
同じ型番のPUでも若干の差があるので「平均」とされています。

「Position: Any」はネック側・ブリッジ側、どちらでもOKということですが基本的には比較して直流抵抗値が高い物をブリッジ側、低いものをネック側に取り付けます。
弦の振幅がネック側の方が大きく、ブリッジ側の方が小さいからですね。

「Custombucker」が搭載されているGibson Custom Shop製品の直流抵抗値を測ってみました。
あまり大きな数値の差は無いですね。(画像2枚目がブリッジ、3枚目がネック側)

これはどのPUもそうですが自身が弾きやすいPU自体の高さ、ポールピースの高さにセットアップしましょう。
近ければパワフル&高コンプレッション感が、遠ければメロウで優しいサウンドになります。
そこまでこだわらなくても音量バランスだけでも揃えると弾きやすいと思います。

ポールピースを調整するならPB Swiss Toolsのマイナスドライバーがオススメです。(画像4・5枚目)
超ジャストフィット、並行刃なのでマイナスネジに優しいです。
JIS規格のマイナスドライバーであれば幅5.5mm、軸長は75mmのものになると思います。(画像6枚目はKTCという国産メーカーのマイナスドライバー)

余談ですが私の所有しているGibson USA Les Paul Traditionaに搭載されているPU「57 Classic」でした。
長年使い過ぎてこれが自分の基準になってしまったのか、とても気に入っているPUです。
PUだけで全ての出音が変わる訳では無いですが自分の中の第一位を塗り替えて来たのが「Custombucker」なのです。
(それ以外はEMGとか、Dimarzio D Sonicとかメタルorドロップチューニングにほぼ限定されたPUばっかり使ってたのはひみつです)

色々喋りましたが結局PU1つで全ての出音が決まる訳では無いのです。
うんちくを程良く参考にして頂いて皆様のギター選び、PU選びの一助になればと思います。
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江原

江原

ロックハウスイケベ池袋

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ロックハウスイケベ池袋ギター担当/江原(えはら)です。
今回はちょっと趣向を変えて「Gibson Custombucker」とはなんぞや?というお話です。
(書き始めたらめっちゃ長くなりました・・・ご興味あれば最後までお付き合い下さい)

超有名&伝説的な「PAF」をGibsonが再現したという一品、「PAF」系っていっぱいありすぎて正解がわからないですよね・・・
PUに使われるマグネットは永久磁石とはいえどんどん減磁(磁力が弱くなる)するので、作られた当時の「スペック」から再現するのか、それ以降10年くらい経ってから伝説的なギタリスト達が使われた時の「音」を再現するのか、現存する個体の「今ある数値」から再現するのか・・・
他メーカーからもたくさん「PAF」系が出ていますが色々な志向が垣間見えて面白いですね。

正解の在り方はさておきとりあえずカタログスペックを見てみましょう。

Position: Any
Magnets: Alnico 3
Wiring: 2-Conductor
Unpotted
Average DC Resistance: 8.0K

アルニコIIIマグネットを使用しています。
アルニコマグネットはIIIアルニコマグネットは「アルミニウム」「ニッケル」「コバルト」の合金で配合率があーだこーだ~というお話は難しいし出来ないので割愛しますが名前の由来なので覚えてると小ネタになります、たぶん。

そう、最弱のマグネットを使用されています。
「弱い」と聞くとあんまりいい感触が沸かないかもしれませんが「強い」からって良い訳でもないんです。
弦の振動を拾うので磁力が強いと振動の妨げになってしまったりしてサスティーンが弱くなったり・・・
よわよわですがそれ故にギター本体の鳴り方を十分に活かしたナチュラルなトーン、サスティーンが得やすくなっている印象です。

「Unpotted」がなんの意味かといいますと「蝋付け」をしていないものになります。
多くのPUは弦以外の振動を拾わないように隙間を埋める為に文字通り蝋につけています。
蝋付けしていないPUなので爆音・激歪みで鳴らすのはちょっとコツが必要ですね。
メリットとしてはピッキングへの追従性の向上、出てくるサウンドが早く感じられる点です。

「Average DC Resistance」は平均直流抵抗値です。
直流抵抗値がなんぞやといえば簡単にいえばPUのパワーを数値化したものと思って頂ければと思います。
ヴィンテージ系が7-9k程、激歪みつよつよPUだと12-16kぐらいになったりします。
同じ型番のPUでも若干の差があるので「平均」とされています。

「Position: Any」はネック側・ブリッジ側、どちらでもOKということですが基本的には比較して直流抵抗値が高い物をブリッジ側、低いものをネック側に取り付けます。
弦の振幅がネック側の方が大きく、ブリッジ側の方が小さいからですね。

「Custombucker」が搭載されているGibson Custom Shop製品の直流抵抗値を測ってみました。
あまり大きな数値の差は無いですね。(画像2枚目がブリッジ、3枚目がネック側)

これはどのPUもそうですが自身が弾きやすいPU自体の高さ、ポールピースの高さにセットアップしましょう。
近ければパワフル&高コンプレッション感が、遠ければメロウで優しいサウンドになります。
そこまでこだわらなくても音量バランスだけでも揃えると弾きやすいと思います。

ポールピースを調整するならPB Swiss Toolsのマイナスドライバーがオススメです。(画像4・5枚目)
超ジャストフィット、並行刃なのでマイナスネジに優しいです。
JIS規格のマイナスドライバーであれば幅5.5mm、軸長は75mmのものになると思います。(画像6枚目はKTCという国産メーカーのマイナスドライバー)

余談ですが私の所有しているGibson USA Les Paul Traditionaに搭載されているPU「57 Classic」でした。
長年使い過ぎてこれが自分の基準になってしまったのか、とても気に入っているPUです。
PUだけで全ての出音が変わる訳では無いですが自分の中の第一位を塗り替えて来たのが「Custombucker」なのです。
(それ以外はEMGとか、Dimarzio D Sonicとかメタルorドロップチューニングにほぼ限定されたPUばっかり使ってたのはひみつです)

色々喋りましたが結局PU1つで全ての出音が決まる訳では無いのです。
うんちくを程良く参考にして頂いて皆様のギター選び、PU選びの一助になればと思います。

ロックハウスイケベ池袋 江原 のスタッフレビュー 2024/06/15

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