【フェンダーブレンダーのお話】
「アッパーファズ」とか「アッパー系」といった言葉、ファズ系のエフェクトペダルに興味がある方はよく耳にするのではないでしょうか。
一般的には上下のオクターヴ音が加わったファズペダルのことを指しています。1960年代後半に日本を含む世界各国のメーカーで生み出された「アッパーオクターヴファズ」、1970年以降はさらなる盛り上がりを見せ、現在も各メーカーにて生産され、世界中のペダルマニアに愛され続けています。
そして、皆さまおなじみFender(フェンダー)社からは1968年に凶悪アッパーファズ『Blender(ブレンダー)』が発売されます。4ノブ2スイッチ仕様の、とにかく凶暴なサウンドを繰り出すアッパーオクターヴファズとして名を馳せました。
ところが、1975年に突如『Blender』は仕様変更が施されます。なんとオクターヴファズを生み出すサウンドの肝、ブレンダー機能とトーンブーストが撤廃され、もはやアッパー系でもなんでもない普通のプリアンプ/ファズペダルに生まれ変わります。
強烈なサウンドを求めるギターマニアには残念な仕様変更だったのかもしれませんが、皆がアッパー系を求めていたわけではないと考えると、この仕様変更後の3ノブ1スイッチ仕様も使いやすくて良いのではないかな、と思えたりもします。ただ、前期型のサウンドがあまりにも強烈だったがために、仕様変更後のギャップに落胆してしまったファンはたしかに多かったかもしれませんね。