プレミアムベース大阪 小村 拓摩 のスタッフレビュー
プレミアムベース大阪、小村です。

またまた話題の新商品に向き合ってみようと思います。
以前に向き合った、TECH21のSANSAMPファミリーに新たな仲間が加わりました。

それがこちら。その名も「XB DRIVER」です。
まず筐体もちょっと大きいですし、ツマミもフットスイッチも多いのが印象的ですね。

このモデル、だいぶザックリ言うと…まずは皆さんお馴染みの「BASS DRIVER DI」。そしてギターをはじめ様々なモデルに対応するTECH21のアンプシミュレーター「PARA DRIVER DI」。レコーディングコンソールを想起させるパラメトリックEQ兼DIの「Q/STRIP」。KING’S Xのベースボーカルで激歪みの復弦ベースを駆使するダグ・ピニックのシグネイチャーヘッドアンプ「dUg Pinnick Ultra Bass 1000」。この4機種の機能/サウンドを1台に纏めたのがこのモデル…レッドブルが同じチーム名で4台走らせてるような状態です。ハンパねぇなっつって。

じゃあこのいっぱい付いているツマミを紐解いていきましょう。
筐体に書いてる通りですが、上段の銀色のツマミがクリーンチャンネル、下段の赤いツマミが歪みチャンネルの各コントロールです。
それぞれ3バンドEQに、無段階のミッドQを備えていますのでかなり音は追い込めます。
そしてクリーンCHにはコンプレッサー、歪みCHにはドライブ量の調整機能も搭載されています。
ホンマに至れり尽くせりな感じで。
そしてドライブCHには輪郭をブーストする「BITEスイッチ」も搭載。
シャキッとタイトな音を一発で出せます。

とりあえず、それぞれツマミ12時/マスターだけバイパスと揃えた状態で動画用意したんで、音聞いてみて下さい。
1つ目はクリーンでバイパスとの比較、2つ目はドライブでバイパスと比較+BITEのON/OFF、MIXのON/OFFです。

そして、ここで作った音はチャンネル切替というアプローチで使い分けることも可能です。
シンプルにクリーン/歪みはもちろん、ちょっと捻った使い方として、歪みチャンネルのドライブを0にしてクリーン/クリーンチャンネルをドンシャリ気味でコンプを適度に入れてスラップ用…みたいな使い方も出来ます。
レベルをちょっと引っ張ってブーストみたいなことも可。…いやぁ、結構工夫出来そうですねー。

ちなみに動画ではクリーンのコンプも12時にしているので、クリーンの方が「厚がある」のはそういうカラクリです。
こう使う場合なら…歪みの方はレベル上げてもええっすね。

そしてここで気づく方もいらっしゃるでしょう…「ブレンド出来へんの?」と。
そこでこのモデルの真骨頂です…何と作り込んだクリーンと歪みを「MIX」のフットスイッチで混ぜ合わせる事が出来ちゃいます。
この状態では中央の「CLEAN/DRIVE」フットスイッチが無効化されるので、歪みのON/OFFは一番右の「MIX」フットスイッチで行います。
それぞれのバランスは各CHのLEVELコントロールで行う形です。

更にこのモードで「BASS」の下にある「クロスオーバースイッチ」を押すとハイパスフィルターとローパスフィルターが有効になります。
バチバチに作ったそれぞれの音を更に綿密にイジれる…マジでハンパねぇなっつって。

ということで、僕なりに「バチバチに作り込んだ音」も動画用意してみました。3個目の動画です。
コンセプトは…ドロップGでジャビジャビに歪ませた「ああいう音」。Suicide Silenceの2枚目っぽいフレーズで弾いてみました。
流石にパッシブJBじゃ無理だったんでMMタイプの5弦使うてます(汗)

このスタイルですが、近年の歪みベースに於けるレコーディング手法として定着してきている「2系統で録った音を混ぜる」アプローチですね。
某北欧ブランドで似た事をやってるモデルがありますが、そのイメージを持っていただければ分かりやすいかな?

------
っていう感じで音/コントロールに関する部分は書けました。
じゃあ次は機能的な部分ですね。
ほんで例によって長ぇなぁ~…毎度毎度スンマセンね~。
------

これ、入出力も相当しっかり備わってまして。
まずインプットはもちろん付いてるとして、高出力なアクティブベースを繋ぐときに重宝する-10dBスイッチが付いてます。
そしてチューナーアウトにエフェクトループ(センド/リターン)も完備…ここまで至れり尽くせりなのはありがたいですし、モデルのルーツにヘッドアンプがある事や「SANSAMP DELUXE」のノウハウが活きてる印象です。
そして出力はフォンとXLRを一つずつ搭載。
フォンの方はパワーアンプ接続を見越しているのか+10dBスイッチを搭載し、XLRはラインレベルへの引き上げスイッチとグランドリフトが付いてます。
何に繋ぐにしても死角ないっすね。

そしてコレ…商品画像では分かりにくいんですけど、フットスイッチ部分は傾斜が付けられているのでスッゴイ踏みやすいです。
思い返してみると…TECH21で筐体デカい、かつフットスイッチ多いモデルは大体こういう設計だった気がします。
こういう気遣いってめっちゃグッときますよね。

さぁ魅力と個人的な推しポイントを書いたところで…正直「高くね?!」って思う方がいらっしゃるかと思います。
なんてったってほぼ10万…エフェクターとしては結構な高値です。

そんな感じで「エフェクター1台」という見方に捕らわれるとそう思うのは重々分かります。僕だってポンッと買われへんもん。
ですが…

・プリアンプ2個置くorプリ1個+好みの歪みとコンプを置く
・それを2系統で割って混ぜる為のブレンダーも置く。
・それぞれを動かす為のパワーサプライを置く。
・もちろん接続用のパッチケーブルもいる。
・当然、それが入るボードもいる…しかも線がごちゃごちゃするから簀子タイプを選ぶでしょうね。

ってやってたら絶対10万じゃ収まらんでしょ?しかも運ぶん重いし、なんかあったらトラブルシューティングも大変。
それがコレ1台で済んじゃう。しかも全然ケースのポケットに入る大きさです。
駆動も18Vアダプター1個さえあればすぐ動かせます。
(9Vでも動きますが圧倒的に18Vの方が音良いです。)

そう考えたらコレって結構凄いんです。
ほんととんでもないモン出たな~と、本国SNSを見ながら思っていた小村でした。
今年の年始のNAMMで発表されてからほぼ1年…ようやく日本上陸です。
既にサンズを使ってる人にもチェックして頂きたい、そんな1台です。
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小村 拓摩

小村 拓摩

プレミアムベース大阪

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プレミアムベース大阪、小村です。

またまた話題の新商品に向き合ってみようと思います。
以前に向き合った、TECH21のSANSAMPファミリーに新たな仲間が加わりました。

それがこちら。その名も「XB DRIVER」です。
まず筐体もちょっと大きいですし、ツマミもフットスイッチも多いのが印象的ですね。

このモデル、だいぶザックリ言うと…まずは皆さんお馴染みの「BASS DRIVER DI」。そしてギターをはじめ様々なモデルに対応するTECH21のアンプシミュレーター「PARA DRIVER DI」。レコーディングコンソールを想起させるパラメトリックEQ兼DIの「Q/STRIP」。KING’S Xのベースボーカルで激歪みの復弦ベースを駆使するダグ・ピニックのシグネイチャーヘッドアンプ「dUg Pinnick Ultra Bass 1000」。この4機種の機能/サウンドを1台に纏めたのがこのモデル…レッドブルが同じチーム名で4台走らせてるような状態です。ハンパねぇなっつって。

じゃあこのいっぱい付いているツマミを紐解いていきましょう。
筐体に書いてる通りですが、上段の銀色のツマミがクリーンチャンネル、下段の赤いツマミが歪みチャンネルの各コントロールです。
それぞれ3バンドEQに、無段階のミッドQを備えていますのでかなり音は追い込めます。
そしてクリーンCHにはコンプレッサー、歪みCHにはドライブ量の調整機能も搭載されています。
ホンマに至れり尽くせりな感じで。
そしてドライブCHには輪郭をブーストする「BITEスイッチ」も搭載。
シャキッとタイトな音を一発で出せます。

とりあえず、それぞれツマミ12時/マスターだけバイパスと揃えた状態で動画用意したんで、音聞いてみて下さい。
1つ目はクリーンでバイパスとの比較、2つ目はドライブでバイパスと比較+BITEのON/OFF、MIXのON/OFFです。

そして、ここで作った音はチャンネル切替というアプローチで使い分けることも可能です。
シンプルにクリーン/歪みはもちろん、ちょっと捻った使い方として、歪みチャンネルのドライブを0にしてクリーン/クリーンチャンネルをドンシャリ気味でコンプを適度に入れてスラップ用…みたいな使い方も出来ます。
レベルをちょっと引っ張ってブーストみたいなことも可。…いやぁ、結構工夫出来そうですねー。

ちなみに動画ではクリーンのコンプも12時にしているので、クリーンの方が「厚がある」のはそういうカラクリです。
こう使う場合なら…歪みの方はレベル上げてもええっすね。

そしてここで気づく方もいらっしゃるでしょう…「ブレンド出来へんの?」と。
そこでこのモデルの真骨頂です…何と作り込んだクリーンと歪みを「MIX」のフットスイッチで混ぜ合わせる事が出来ちゃいます。
この状態では中央の「CLEAN/DRIVE」フットスイッチが無効化されるので、歪みのON/OFFは一番右の「MIX」フットスイッチで行います。
それぞれのバランスは各CHのLEVELコントロールで行う形です。

更にこのモードで「BASS」の下にある「クロスオーバースイッチ」を押すとハイパスフィルターとローパスフィルターが有効になります。
バチバチに作ったそれぞれの音を更に綿密にイジれる…マジでハンパねぇなっつって。

ということで、僕なりに「バチバチに作り込んだ音」も動画用意してみました。3個目の動画です。
コンセプトは…ドロップGでジャビジャビに歪ませた「ああいう音」。Suicide Silenceの2枚目っぽいフレーズで弾いてみました。
流石にパッシブJBじゃ無理だったんでMMタイプの5弦使うてます(汗)

このスタイルですが、近年の歪みベースに於けるレコーディング手法として定着してきている「2系統で録った音を混ぜる」アプローチですね。
某北欧ブランドで似た事をやってるモデルがありますが、そのイメージを持っていただければ分かりやすいかな?

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っていう感じで音/コントロールに関する部分は書けました。
じゃあ次は機能的な部分ですね。
ほんで例によって長ぇなぁ~…毎度毎度スンマセンね~。
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これ、入出力も相当しっかり備わってまして。
まずインプットはもちろん付いてるとして、高出力なアクティブベースを繋ぐときに重宝する-10dBスイッチが付いてます。
そしてチューナーアウトにエフェクトループ(センド/リターン)も完備…ここまで至れり尽くせりなのはありがたいですし、モデルのルーツにヘッドアンプがある事や「SANSAMP DELUXE」のノウハウが活きてる印象です。
そして出力はフォンとXLRを一つずつ搭載。
フォンの方はパワーアンプ接続を見越しているのか+10dBスイッチを搭載し、XLRはラインレベルへの引き上げスイッチとグランドリフトが付いてます。
何に繋ぐにしても死角ないっすね。

そしてコレ…商品画像では分かりにくいんですけど、フットスイッチ部分は傾斜が付けられているのでスッゴイ踏みやすいです。
思い返してみると…TECH21で筐体デカい、かつフットスイッチ多いモデルは大体こういう設計だった気がします。
こういう気遣いってめっちゃグッときますよね。

さぁ魅力と個人的な推しポイントを書いたところで…正直「高くね?!」って思う方がいらっしゃるかと思います。
なんてったってほぼ10万…エフェクターとしては結構な高値です。

そんな感じで「エフェクター1台」という見方に捕らわれるとそう思うのは重々分かります。僕だってポンッと買われへんもん。
ですが…

・プリアンプ2個置くorプリ1個+好みの歪みとコンプを置く
・それを2系統で割って混ぜる為のブレンダーも置く。
・それぞれを動かす為のパワーサプライを置く。
・もちろん接続用のパッチケーブルもいる。
・当然、それが入るボードもいる…しかも線がごちゃごちゃするから簀子タイプを選ぶでしょうね。

ってやってたら絶対10万じゃ収まらんでしょ?しかも運ぶん重いし、なんかあったらトラブルシューティングも大変。
それがコレ1台で済んじゃう。しかも全然ケースのポケットに入る大きさです。
駆動も18Vアダプター1個さえあればすぐ動かせます。
(9Vでも動きますが圧倒的に18Vの方が音良いです。)

そう考えたらコレって結構凄いんです。
ほんととんでもないモン出たな~と、本国SNSを見ながら思っていた小村でした。
今年の年始のNAMMで発表されてからほぼ1年…ようやく日本上陸です。
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プレミアムベース大阪 小村 拓摩 のスタッフレビュー 2024/12/02

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