世に「男の嗜み」とありますが、王道から外れ変な拘りになると急に子供っぽくなり「男の子の嗜み」と言う方が似合うように感じます。
自分も昔から奇行癖があり、小学生で望月三起也先生の「ワイルド7」に嵌り、モーゼルミリタリーの分解図を入手する為に月刊「GUN」を買ったり、西風先生の「GTroman」に影響され、ペーパーのくせに浮谷東次郎とヨタハチを語るという滑稽な様を晒しておりました。
愛好家の多い腕時計でも王道から外れ、若かりし時の金欠状態と唯一無二への欲求から「国鉄ホーマー」に目を付け、入手した事があります。
国鉄職員に支給されていたシチズンの腕時計で、背面に各管理局名と年式が刻印されており、自分と同年の製造品を見つけた時には狂喜して即購入しました。
自動巻きでも無い只の手巻きの機械式時計ですので毎朝クリクリとネジを巻くのですが、決まって日に1分ほど時が進む様が愛らしく、毎日修正しながら長らく使っておりました。
しかしある時、リューズをクリクリ巻いていると、いつもより手応えが無い!
あぁ、なんと内部のバネが切れてしまったようです。
早速修理に出し見積もりを取ってみますと、これが時計を買った値段の数倍する修理代金でした。
機械式時計のオーバーホールですから当然で、真の愛好家でしたら直して使い続けるのでしょうが、その時自分は日和ってしまいました・・・・
そっと引き出しの奥に仕舞い込み、新たな時計を購入してしまったのです。
しかも、電波、ソーラー、防水、チタンという文明の利器を駆使したメンテナンスフリーの極致で、その時より完全に腑抜け者と化してしまったのです。
しかしこれも10年以上毎日使っておりますと、それはもう炎天下の海水浴や猛吹雪のスキー場で使ってもメンテした事はおろか時間を合わせたことも無く動き続けており、元来の無精者にはこの快適さから抜けられず、道具としての極致と思い至るようになりました。
ですので、最近ギターではヒストリックやオーセンティック等の賛成派です!
昔は「本物のヴィンテージをもってなんぼよ」などとの賜っておりましたが、今やそんな昔の自分に蹴りを入れたいぐらいです。
楽器とは使ってなんぼです!
しまも近年のヴィンテージリイシューは良く出来ています!!
という訳で、本日のオススメはGibson Historicでした。