最近ではめっきりと出物の少なくなったハカランダ物が、モーリスからヒョッコリと出てきました!
ボディはやや小振りなFスタイルで、装飾系は過度な演出を抑えウッディーな風合いを持たせたスタイルで指板やブリッジにも用いられたハカランダ材が良いアクセントになっておりますが、それよりもまずは表よりもバックやサイドのハカランダに目が惹かれるスタイルとなっております。
黒々として艶やかなハカランダ材は程よく暴れた木目がエキゾティックな印象を与え、センターに配されたサップを含むこちらもハカランダ材は見た目も考慮され技巧に凝った特殊な4P構造をしていますが、その端正な木目とのマッチングから、更に深みのある妖艶なルックスが魅惑的です。
と、このハカランダの木目を眺めているだけでもゾクゾクするギターですが、とりあえずポロポロと弾き始めてみますと、
音を出して初めて抱く響きの印象は「箱庭系」
冒頭でフォークサイズのFスタイルをそれほど小さくないのですが「やや小振りな」と形容してしまいましたが、このギターの響きがもっと小柄なギターに近いからかもしれません、個人的には古いハカランダで0か00ぐらのサイズを持つギターを弾いた印象が近いように思えました。
ドレッドの様にスパーンッと広がる感じでは無く、内省的ですが一音一音にグッと力強さを持つ音を弾き並べると、グイグイとギターに弾き込まれるようなトーンなのです。
第一印象は「大人しい?」と思わせますが、フィンガーで弾いても単音の出音は強く、ハカランダ材の持つ倍音の豊かさからなのでしょうか、はたまたトップ材のベアクロウの入ったジャーマンからの芯の強さからなのでしょうか、色気の深い音像が心地良く、ついつい弾き込んでしまう音色が印象的です。
派手ではないです。
ルックスもトーンもギラギラした野心は感じられませんが、包容力が深くジックリと包み込むような温かさにジワジワと弾き込まれてしまうギターではないかと思います。
なんとなくですが、ポッカリと時間の空いた寒い日に、暖炉の前でポロポロと心置きなく弾きたいギターです。
※バック材が黒々としているので、撮影時に周りが写り込んでしまい、良い画像が撮れませんでした。。。