昔、ハミングバードは愛でるギターかと思っておりましたが、このところその響き、そして余韻に心動かされております。
かなり以前、打田さんとかステファン・グロスマンとか、南澤さんのしらべシリーズなどをリアルに三日坊主で放り投げてサボってしまい、最近では「難しい事は弾かない!」と開き直ってしまいましたが、すると何故だかハミングバードの魅力が見えてくるようです。
「無理をしない、頑張らない」をモットーにユルく弾くを実践していると、音と音の隙間にアコースティックギターの「色気」を感じる事が多くなる為か、ハミングバードをバーンッと弾いた後の甘く、そして柔らかな響きがジワジワと沁みてきます。
ボディ形状ではハミングバードに近いMartin D-28のドレッドノートでは、ガツンと弾いてもグワッとシッカリした響きが返って剛性感の高さを感じますが、ハミングバードではもう少し砕けた感じで頼りない印象も受けます。
ただ、その上下が丸く中域に寄った余韻が人の声に近のか、ハミングバードの響きは歌声に乗ると言われ弾き手に安心感を与えてくれるのかもしれません。
そこで、このマーフィーラボのハミングバードですが、実際に弾いてみるとこの余韻や響きの倍音感などがスタンダードモデルよりも豊潤で、よりハミングバードの良さを感じることが出来ます。
この微妙な「余韻」の良さは、古くは2000年代半ばのヒストリックコレクションからトゥルービンテージなどへの流れを汲むオリジナルのヴィンテージの造りをリアルに再現した造り、そして近年の拘った機種に用いられるサーマリー・エイジド・トップなどのスペックは勿論、今回は塗装の質がギターの鳴りには重要なのかもしれません。
アコースティックギターでは綺麗な状態を好む方が多いように感じられ、エレキほどエイジドへの需要は高くないかと思いますが、サウンドには良い硬質で極薄なラッカーは塗装クラックが入り易く、ピカピカのグロス仕上げですと管理が難しい為、サウンドを突き詰めるとエイジドというのは一つの選択肢だったと思います。
個人的にはアジャスタブルブリッジ仕様が良かったかな!との思いも有りますが、実際にこの響きを聞いてしまうと、「欲しい!」と思わせる1本です!