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馬場
アコースティックステーションリボレ秋葉原
アコギにはブレイシングってのがありまして、意外と役割がちゃんと浸透をしていない部分だったりするんですけど、色々とありますが、簡潔に言うと・・・①木材の反り・変形を抑える②ボディの余分な振動を抑える特に②は逆に捉えられていたりするですよ。「良く響くように複雑に設計されている!」なんて思われたりします。実はギターの木材は良く鳴り過ぎると弦振動が木材に吸収されて、サスティンやアタックが弱くなってしまうんですよね。しかしながら、抑えすぎると豊かな木材の鳴りが薄くなってしまうんで、抑えれば良いって訳ではないのです。で、スキャロップ・ブレイシングってのがありますが、ブレイシングを部分的に削ってより振動をするようにしたタイプもあります。その分①の強度は弱くなります。でも、より豊かな鳴りが得られます。「どっちを選んだらいいんよ!そもそも、スキャロップ関係なく結構ボディは変形するし!」という悩みをアコギが今のXブレイシングスタイルになって60年くらい?ですが、アコギファンを悩ませ続けておる訳です。そんな中、サラッと発表されたのがテイラー社のV-ブレイシング。「へ~」って受け流してしまいそうですが、多くのメーカー採用されていて長年変化のない部分を改良したというのは結構凄いことです。一番力のかかるブリッジの裏に太いブレーシングを置くVの字型は、目から鱗の案。発表前のサンプルの機体は、製作から弦を張りっぱなしで2年近く経ってもトップの変形は無かった程に強度は抜群。しかも、トップ材の振動の変化や内部反響がXブレイシングから変わって、コードのハーモニーや倍音が綺麗になったのです。発案者のマスタービルダーのアンディー曰くぶっちゃけここは偶然だそうで、流石に完璧にそこまでは計算や設計では出来なかったようですが、結果的に良いからOK!という感じだそうです。アンディーはそういう不確定なギターらしいミラクルも好きとのこと。数多の製作家やビルダー・メーカーが改良出来ていない部分を、たった一人から行ったというのは、やっぱりすげー!
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