ギター・ベース業界でかれこれ20数年前から出てきた手法、経年変化加工。
ヴィンテージギターが市場で確立してから、〇〇年頃を再現したリイシュー製品が90年代の初め(だったはず)に出ておりましたが、「雰囲気もよりヴィンテージに近づけて欲しい!」という要望を受けて、ダメージ加工製品が販売されるに至りました。個人ブランドでは既に行っているところもありましたが、当時の市場ではコアなファン向けという認識でしたが、そんな中で大手メーカーのFender社がNAMMショーで発表した時に、多くのディーラーやギターファンがその仕上げに驚き、支持を得たようです。真相は定かではありませんが、発表時のNAMMショーではサンプル展示のヴィンテージだと誤解される程だったようです。意外と知られていない事ですが、Fender社ではレリックと表記し、ギブソン社ではエイジドは表記します。その他メーカーではヴィンテージと表記するモデルもあったります。
経年変化らしい部分として塗装クラックがありますが、余談ですがこれはただ割れているという訳ではありません。塗装クラックは塗装の収縮によって発生し、スプレーの吹付方向によってクラックの入り方も変わってきます。ギブソンとフェンダーは塗装の際のボディ配置が縦と横で異なっているので、大きいクラックの入り方が変わったりしますが、その点も勿論再現してたりします。クラック方法としては冷却スプレーや刃物でつけていくのが有名ですが、これは各々メーカーの独自手法とノウハウで行っており、大事な部分は企業秘密だったりします。因みにラッカーとウレタンでも経年変化具合が変わり、ウレタンは「パキッ」と割れたりします。ESPのカークハメットモデルKH-2 Vintageはそういった点を再現していたりしますね。そしてメーカーとしてはヴィンテージタイプだけではなく、ミュージシャン所持品の再現モデルも出来たりと、商品ラインアップの幅が広がりました。
こういったエイジング加工品は見た目だけではなく、サウンドにも影響してまいります。多くの場合で塗装痩せの質感を再現している為、トップコートの吹きっぱなし処理や研磨等を行っておりますが、それ故に通常の仕上げより塗面を薄く仕上げる事もあります。その為木材の鳴りがより豊かになる傾向があります。
あぁ・・・文字数制限が・・・
つづく!!