フィンガーピッキングの達人と言えば、トミー・エマニュエル!
このメイトンのTE Personal Cutawayは、トミー本人の個体と同じビルダーが製作した、いわゆるドンズバモデルです。
一見、レギュラーラインとピックガードの有無しか違わないように見えますが、木材グレードや制作の丁寧・肌ざわりまで全く違うモデルの様に異なっています。レギュラーモデルの時点で非常に丁寧に製作をされたギターなのですが、更に洗練されたような印象を与えます。アコギの場合、どうしても見た目がシンプルなモデルは魅力が伝わり難いのがつらいところ・・・Martin D-45とか判り易く豪華であれば、最上級ということが一目でわかるんですけど、このモデルはギターを抱えた瞬間に「いいギター感」がわかります。いや、ほんとに
歴史のあるメイトン社ですが、現代的な仕様なので今の音楽や演奏スタイルにフィットしてます。弦高は低めでネックは薄めのやや幅広タイプ、ピックアップはピエゾとコンデンサーマイクで非常にナチュラル。抜けのある高音域と引き締まって芯のある低音域は、曲やステージでもしっかりと存在感を出します。
あ、この弦高が低目というのがミソで、単純にブリッジサドルを低くしている訳ではありません。弦高が低い場合弦のテンションが弱まり、弦振動が弱くなります。そこら辺も計算してブレイシングやブリッジ等を設計しているから、弦高が低くてもシッカリと鳴ってくれる訳です。
トミー・エマニュエル氏のスタイルや要望に応えられるギターという事は、ジャズ・ロック・ファンク・カントリー・ブルースが出来て、フィンガーもストロークも何でも対応出来るギター。ということは、万人の要望に応えられるギターという訳です。
ちなみに、本人所有の個体の1つでズタボロの1本がありますが、正に妖刀のような雰囲気を感じます。
あれほど使い込んだメイトンを越える猛者はいるのだろうか?