アコギ界には最大の難問があります。


それは、弦緩める問題。

です。
「は?緩めるに決まってんだろ!」と言われそうですが、海外では緩めないが一般的で緩めるという発想自体があまり無いです。様々なメーカーの国内に輸入されていますが、大体がチューニングされた状態で国内入荷されています。これは各国の気候的な違いもあり、特にアメリカでは乾燥対策の方が大変だったりします。

じゃあ日本はというと・・・
「夏はジメジメ、冬はカッサカサ」という楽器にとって過酷な環境。

故に、夏は高湿度でやわらかくなってネックハイ起きやトップ材浮きが発生し易く、冬は割れが発生し易いのです。ネックハイ起きとトップ浮きを極力防ぐ為に考え出された方法の1つが、弦を緩めるという手段なのです。ですので、多くの海外メーカーの方が来日して楽器店巡りをした際、「うちの商品が演奏出来ない状態で展示されとる!」と驚愕をするのです。


じゃあ、どれくらい緩める?というところですが。

これも決まりはありません。
そもそも1本1本木材や設計が異なるのに、同じ保管方法で良いとはならないのです。「他のギターは大丈夫なのに、このギターだけ変形するからこれは外れだ!」なんて耳にする事もありますが、木材特性や環境との相性で同じ商品でも全然緩めなくても問題無い個体もあれば、かなりダルダルにしないとダメな個体もあります。因みに、保管(住宅)環境や県によって結構平均湿度が違うので、それぞれに合わせなきゃなりません。ここまで説明すると難しく面倒に感じると思いますが、私的なお勧めの解決策があります。

それは「演奏頻度を高める」です。

頻繁に演奏をされていれば軽度な状態にて異変に気付きますし、結果的に早期の対処で大事に至らず調整や保管方法の変更で対応も出来ます。しかしながら、どんなに気にかけていても、人と同じく状態は悪くなることもあります。愛機と長く付き合っていくには健康診断や人間ドックの様に定期的な調整はやはり必要です。

何はともあれ、先ずは日々の演奏を楽しんで時にはギターの健康を気にかけるのがおススメです。

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