1950年代のサーフミュージック流行の最中にセールスを伸ばしたJazzmaster（ジャズマスター）に続き、1962年にはFenderギターの最上位機種として『Jaguar（ジャガー）』が発売されました。発売当初からカスタムカラーのオーダーも多く、うまく流行に乗りセールスを伸ばしたものの、後に世界的に流行したロックミュージックにはギターの特性も合わず、1970年代半ばに生産が打ち切られました。その後、グランジ／オルタナを代表するカリスマの出現によりジャガーは再注目され、現在の多様なミュージックシーンにうまく溶け込みながら存在感を放ち続けるモデルです。

こちらは1965年頃生産、3トーンサンバーストカラーの1本。年齢性別関係なく人気があるジャガー。ステージのライティングに映えること間違いなしですね。

【ボディ】
全体重量は約3.6kg。ボディ材はアルダー、赤みの比較的残る3トーンサンバーストカラーが渋いですね。ウェザーチェック、細かな打痕等キズ、バック面のベルトバックル跡、金属パーツのくすみ等はみられるものの、比較的きれいなコンディションといえるのではないでしょうか。ブリッジは同タイプの後年のものに交換済みです。ミュート装置は外されていますが付属しています。アームバーは欠品となります。

【ネック】
ネック材はメイプル、フィンガーボード材はローズウッドとなります。ヘッド裏に当時の販売店のラベル、ヘッドまわりに打痕はみられますが、比較的きれいなコンディションといえるでしょう。使用感のあるネック裏のサラッとした手触りはヴィンテージものならではですね。チューナーは当時のダブルラインのクルーソンデラックスを装備。巻き具合にバラつきはみられるものの、しっかりと機能しています。ナットは交換済み、フレットは低めながらも、PLEKマシーンによるすり合わせ調整済みでプレイアビリティはとても良好です。ヘッド厚は14.7mm、ナット幅は41.3mm。比較的すっきりめのネックシェイプが特徴です。

【電装系】
コントロールはメイン側【ネック（フロント）ピックアップON/OFFスイッチ／ブリッジ（リア）ピックアップON/OFFスイッチ／ローカットスイッチ】【マスターボリューム／マスタートーン】、プリセット側【プリセットON/OFFスイッチ／プリセットボリューム／プリセットトーン】となります。ピックアップはリア側のデイトが読めませんでしたが当時のグレーボトムを2基搭載、以前にハウリング対策で含浸処理が施されたようです。それに伴い各ピックアップ～アースプレート間の配線材が交換されています。メインボリュームPOTは交換済みです。24インチスケールならではの、サスティン短めの独特な歯切れの良い発音に、豊かなレスポンスのなかにみえる柔らかく太さのあるトーンが魅力ですね。

付属ケース：ノンオリジナルハードケース