ハートマンヴィンテージギターズの吉野"ジャスミン"陣です。
先日、箱物は横幅に親近感があると申しましたが、深胴は厚みにも親近感がわきます。でもお互いのボディに厚みがありすぎて手がまわりにくいんですよね。これギター界の「ヤマアラシのジレンマ」です。
【YAMAHA AE-11 early70's Sunburst】
最近、寝ても覚めてもヤマハのこと考えてる気がする。恋かも。
1967年頃デビューのAEモデル、SAなんかと同期ですね。ホロウボディ/薄胴(のちにセミホロウボディ)のSAとホロウボディ/深胴のAEといった感じで1966年頃からのソリッドギターに続くように(当時はSAがホロウボディではあるものの)セミアコ・フルアコとしてラインナップされたのでしょうね。
ジャズギターとして当時から国内外で人気があり、1940~60年代に活躍したオクターブ奏法で知られるとあるジャズギタリストは「今ほしいのはヤマハのAE-11」と言ったとか言わないとか…これはちょっと眉唾かな。もちろん今でもジャパンヴィンテージ市場では注目度の高いモデルですよ。
個体としてはシリアルナンバーから1973年頃のものと思われ、まず外観コンディションの良さがポイント。大きな傷や打痕はありませんし、塗装の状態も比較的キレイな方かと。このタイプのチューナーは裏の「YAMAHA」ロゴ入りのカバーがひとつ、ふたつなくなっているのもザラなんですが、すべて残っているのも嬉しいですね。過去に2弦用のサドルが割れたようで接着固定、併せてサドルビスと袋ナットが交換されておりますので見た目はアレですが機能面では問題なさそうです。
余談ですが…AEモデルは1967~1971年までの製造で1973年から新モデルのAEに切り替わるとする説があります。SAでも同様の説が一般的(?)のようです。しかしながら両モデルで1972~73年のシリアルナンバーを持つ個体を確認していることもあり、私個人の見解としては1973年まで継続して製造、同年に新モデルにモデルチェンジしたと考えています。こういう考察もヴィンテージの面白さですね。