1980年代に入り、Fender（フェンダー）社の各主要モデルにバリエーションが増えました。「The Strat（ザ・ストラト）」はそれまでのストラトの良さを生かしつつ、コンテンポラリーなパーツを採用した意欲作でした。4点止めボルトオンジョイント、スモールヘッドといった古き良き仕様も復活しました。今回入荷は1982年製、Wine Red（ワインレッド）カラーはこのモデルでは比較的レアかもしれません。

【ボディ】
全体重量は約4.8kg。ボディ材はアッシュ、木目の確認できる渋いワインレッドカラーにゴールドハードウェアがよく映えます。ブラス製の新しいブリッジやゴールドカラーのコントロールノブ等のニュースペックが発売当時にも注目されていました。ウェザーチェック、打痕等キズや塗装剥げ、塗装面の焼けや劣化部分、金属パーツのくすみ等がみられ、雰囲気の良いコンディションとなっております。アームバーは交換済みです。

【ネック】
ネック材およびフィンガーボード材はメイプル。ヘッドシリアルにはゴールドハードウェア仕様を表す「G」のアルファベットが確認できます。ヘッド周りと2フレット裏あたりの打痕、ゴールドハードウェアのくすみはみられるものの、比較的きれいなコンディションといえるでしょう。チューナーは「Fender」ロゴ入りSchaller（シャーラー）製ロトマチックペグ（ゴールドメッキ）を装備、巻き具合のバラつきはそれほどなくしっかりと機能します。フレット／ナットは交換済みで、プレイアビリティは良好です。ヘッド厚14.0mm。ナット幅41.7mm。薄めのネックシェイプが特徴です。

【電装系】
最大の特徴は2モードヴァリエーションロータリースイッチで、スイッチON時にピックアップセレクタースイッチと組み合わせることにより、以下のような多彩な出力を可能としています。

1.フロント＋センターのシリーズ（直列）接続
2.リア＋センターのシリーズ接続
3.フロント＋リアのパラレル（並列）接続
4.（フロント＋リアのパラレル）＋センターのシリーズ接続
5.リア単独出力

同時期の通常仕様のストラトキャスターと同様に、キャビティ内に導電塗料とピックガード裏のシールディングによりノイズ対策が施されています。リアピックアップは同時期のレギュラーバージョン同様、出力の高い「X-1」を装備しております。1980年代フェンダーギターのマニアックな人気モデルですね。

付属ケース：ノンオリジナルハードケース