ハートマンヴィンテージギターズの吉野(ジャスミン)です。

今回はどこか親近感がわくぽっちゃりシェイプのギターをご紹介します。

【TEISCO MQ-56 '99 Mediterranean Orange】

丸い…

国産ビザールといえば「スイッチが多すぎる」「昭和中期の「100年後の未来」のイラストみたい」「ピックアップが多ければ偉いと思っている」など、世界中で高い評価を得ていますが、ビザールギターを語るうえでTeiscoは避けては通れないでしょう。

テスコの歴史は古く、戦前まで遡ります。が、すべて割愛し時は流れて1960年代、国産ソリッドギター戦国時代とでもいいましょうか、群雄割拠の時代においてスペクトラム5やK-4Lといったヒットモデルの誕生、某若大将での宣伝効果もありグヤトーンと並び高い人気を誇りました。

こちらはGSブーム真っ只中の1968年、河合楽器傘下となってから発売された「MayQueen」の復刻版。1999年製、エントリークラスのMQ-56です。
カラーはMediterranean Orange、艶感のあるオレンジ色は地中海の大地やバレンシアオレンジを想起させますね。(行ったことはありませんが…。)

ルックスの再現度はかなり高いですね。
スプリットバーポールピースのピックアップがミニハムバッカー風の「TH-50」に、トレモロユニットも少々デフォルメされたような感じですが、オリジナルの意匠を汲んだ落とし込みです。
マテリアル面ではアガチス材のセミホロウボディ、メイプル3ピースネック、ローズウッド指板となっています。

チャキチャキと軽快なトーンで、またパワーもそれなりにしっかりとありますので、イメージするテケテケサウンドよりもずっと現代的です。テスコ味(み)を感じさせながらもちゃんと実用レベルまで作りこまれており、座って弾けない以外にはこれといった欠点のない素晴らしいギターに仕上がっています。

ちなみに「メイクイーン」の由来は「5月に作られた試作機の中から選ばれたから」だそう。メーデー関係ないんかい。

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