ハートマンヴィンテージギターズの吉野"ジャスミン"陣です。
これを書いている4月29日16時頃の渋谷の気温は約23℃…お昼頃までは日差しが強く、すわ夏到来か!?とも思ったくらいですが、今は雲が多く陰ってきたためか少し涼しく感じます。ビビらせやがって……
【YAMAHA SC-700 '77 Black】
親の顔より見たヤマハロゴ。
1977年、SGシリーズのヒットで勢いづいたのか、この年にヤマハは多数のニューモデルを投入します。今日まで続くヤマハベースの祖「BB - Broad Bass」シリーズをはじめ、セミホロウボディの「SA - Super Axe」シリーズ、F社TL風の「SF - Super Flighter」シリーズ、そして対になるF社ST風の「SC - Super Combinator」シリーズ。どれもトラディションナルなスタイルの中にヤマハならではの独創性がふんだんに盛り込まれています。
このSC-700は当時の最安モデルですが、コスパに優れたモデルです。マテリアルはアルダーボディ/メイプルネック/ローズウッド指板でデタッチャブル仕様、SC-800と1000は指板がシマコク(縞黒檀)、最上位の1200はスルーネックでメイプル+マホガニー+アルダーボディ/メイプル+マホガニーネック/エボニー指板。1200はともかく、800/1000との違いはもうないも同然ですよ。ドットポジションマークの700/800に対し、1000と1200は「武田菱」のような菱形を4つ合わせたもの。かっこいいんですよね、アレ。ピックアップは全モデル共通のバーマグネットタイプで、さらにスーパーコンビネイターの由来(たぶん)となる3つのフェイズスイッチも全モデルに搭載。ほら、800とかほとんど差がないですよ。すごくないですか?そうでもないか。
特筆すべきはオリジナルブリッジ「OBC-I」でしょうか。ST風などと言いながらまさかのハードテイル仕様。思い切りましたねぇ。なお1980年のモデルチェンジ後は2点支持のトレモロユニットが付きますので、まぁそういうことなんですかね。いいと思うんだけど。
13種ものサウンドパターン、隠しきれないオリジナリティ、ヤマハらしい反骨精神のようなものを感じる良プロダクト。どちらかといえば地味なモデルですが、人気が高いのも頷けます。