ハートマンヴィンテージギターズの吉野"ジャスミン"陣です。
箱物って好きなんですよね。なんか上品で、fホールなんかもかっこいいですし。アーチの感じとか、比較的高級モデルが多く木目もきれいだったりとか…それになんていうか親近感……横幅か……?
【YAMAHA SA-50 '67 Natural】
初期型SA、初年度ですね。
以前、SA-2000SとSA-2500をご紹介した際に少し触れましたが、ヤマハSAモデルは1967年に初めてラインナップされます。そのときの「旧SA」はセンターブロックのないホロウボディ構造だった、というのも以前ご説明したとおりです。薄胴でセンターブロックなしのため、重量も3.3kgと軽量に仕上がっています。参考までに当店在庫のSA-2000Sは3.8kg、SA-2500は3.7kgですので、大型のブリッジユニットが装着されていることを考えるとかなり軽いのがわかります。残念ながらアームは欠品していますが……
当時のカタログを確認すると、SA-50のマテリアルはトップ/サイド/バックのすべてにメイプルが使用されています。が、英語版のカタログにはナチュラルカラーのみシカモア材を使用している旨の記載があります。G社アーチトップなんかでもナチュラルブロンドには木目の出た材、というのはよくありますが、限られたコストの中で良材をチョイスする苦肉の策だったのでしょう。涙ぐましい企業努力です。
ピックアップはブラックカバーのタイプ。60sヤマハによく見られるものですが、割とすぐに同じ形状でクロームカバーのタイプに変わってしまうので貴重だったりします。ちなみにこのピックアップは「ローノイズピックアップ」といいます。その名の通りローノイズかというとまぁ…ローノイズ、かな、うん。って感じのローノイズです。悪くないですよ、決して。サウンドとしては音の丸みと輪郭のバランスが良く、箱物らしいふくよかさと音抜けをいい具合に両立できていると思います。フロント/リアのキャラクターも結構違っているので案外使いやすいんじゃないでしょうか。