ハートマンヴィンテージギターズの吉野"ジャスミン"陣です。
長らく工事していた大型ランドマーク「サクラステージ」がオープンして早一週間。飲食店やポップアップストアなどがたくさん並んでおり、渋谷駅前ながら人通りがあまり多くなかった桜丘地区もすっかり賑わっています。ハートマンヴィンテージギターズ並びにギターズステーション/ベースコレクションはサクラステージのお向かいという超好立地!渋谷にお出かけの際にはぜひ当店にもお立ち寄りください。切に。
【Roland AW-10 Wah Beat late70's】
たまには趣向を変えてペダルもご紹介しましょうかね。
ローランドの誕生は1972年。「ACE TONE(エーストーン)」で知られるエース電子工業の創業者・梯郁太郎氏が自ら独立する形で設立し、シンセサイザーや電子ピアノ、リズムマシーンなどエーストーンと同じような製品をラインナップしていました。この背景には出資元の経営悪化や提携先との衝突があったようですが、まあ難しいことはおいておきましょう。
今回ご紹介する「AW-10 Wah Beat」は1973年から1978年頃までラインナップされていたようですので、あの名器「Space Echo」の初期モデルRE-100/RE-200と同時期に発売されたローランド最初期のギター用製品ですね。BOSSの前身となるメグ電子の創業が1973年、初のBOSSブランド製品が1974年の発売で、ボスコン初代3機種(OD-1/SP-1/PH-1)の発売が1977年ですので、ギター用製品としてはちょっと先輩にあたります。こちらはスイッチがやや右寄り、右IN左OUTの後期型個体ですね。
ワウペダルとしてはなんというか、非常に強烈…というほどでもないですが、かなり極端に引っ込む感じがします。踏んだ瞬間、目に見えて(見えないけど)音がきゅっと痩せてヴォリュームも落ちます。ワウですら痩せるというのに……キャラクターとしてはペチペチ、テケテケ、モコモコって感じでいわゆる「チャカポコ」とはまた違ったファンキーさがありますね。音色しかり音量しかり、かなりクセのあるペダルではありますが、まあワウってそういうものじゃないですか。小気味良い飽和感がなかなか面白く、弾いていて楽しいワウという印象でした。ネオ・ソウルやシティ・ポップなどとの相性もよさそうです。