ハートマンヴィンテージギターズの吉野"ジャスミン"陣です。
本日10/26は「デニムの日」だそうです。私は365日ほぼデニムしか履きませんから、これはもう私のための記念日と言っても過言ではありません。過言か。糸の太さや生地の厚み、年式ごとの細かいデザインの差異など各々コダワリを持って選ぶわけですが、興味のない人からすると全部同じに見えるようです。この辺はヴィンテージギターに通ずるところがありますね。
【GRECO EG-800R '79】
国産LPコピーモデルの代表格ですな。
「グレコがコピーしていないモデルはない」というレベルでありえんくらいのマイナーモデルまでコピーするグレコですが、LPモデルともなればグレコが日本国内で本格流通し始めた1968年頃からラインナップされていました。当時はお世辞にも似てるとは言えず、恰好だけは似せているものの安価な木材やパーツを使用したり、そもそもボルトオンジョイントだったり。それでも当時の国産のレベルを思えば質の高いギターでしたが…。その後どんどんクオリティを上げていき、1970年代初めにはセットネックでの製造を開始、1977年頃には低価格帯を含むすべてのLPモデルがセットネック仕様となります。
グレコLPと言えば1980年から始まる「Super Real」シリーズが有名ですが、この頃までのグレコLPはその当時の現行ラインナップを踏襲した作りでこれもある意味Super Realなシリーズでした。この個体は1979年製、パンケーキ風ボディにメイプルの3ピースネックとなるほど確かに"ぽい"です。ヘッドサイズの違いや(カタログ表記の上での)指板の仕様違いなど、ちょいちょい独自感もあるにはありますが、しっかり研究してますね。
一方、Super Real期では1950年代などのヴィンテージスペックを強く意識したいわばリイシューモデルですから、ほんの1,2年でまったく別時期のLPを作っていることになります。理由はわかりませんが、おそらくそっちのほうが売れるなと考えたのではないかと推察します。実際人気だし。
グレコEG(LP)モデルは奥が深く、それゆえ市場価格も高騰しています。他のヴィンテージ/ユーズドギターにも言えることですが、ある程度キレイできちんとセットアップされた個体をお探しの方はお早目に。いずれなくなっちゃいますからね。