ハートマンヴィンテージギターズの吉野"ジャスミン"陣です。
時が経つのは早いもので、この間までうだるような暑さだった渋谷の街もいささか冬めいてきました。その早さ故にテレビやインターネットでは日々新しいコンテンツが現れては消え、アラサーにはそのスピード感についていけなくなっていますが、音楽業界の末席を汚す立場として流行に乗り遅れるわけにはいきません。これからも適宜チピチピチャパチャパするなどして世間様に媚び諂いたいと思います。
【YAMAHA SJ-500 '79 PR】
この時期のヤマハって噛んでも噛んでも味がする、いわばスルメギターのスメルがします。
SJ "Super Jam"シリーズはSCなどと同期となるモデル。1970年代後期のヤマハはSTスタイルのSCシリーズとTLスタイルのSJシリーズといった感じで売り出していたようですね。看板モデルのSGシリーズに両シリーズが続き、さらにSFシリーズやSXシリーズ、SAシリーズ、他コピーモデルもラインナップされた強力な布陣です。
そんな中でも私は特にSJシリーズが好きなんですよね。SGはもちろんいいギターですし、SCやSFは大規模なモデルチェンジもあり印象に残っています。でもSJはそういうのないんです。なんなら○○-1000クラスのラインナップもありません。とあるフュージョン・バンドのギタリストが使用アーティストとしてカタログに載っていましたが、その方もヤマハならPACIFICAのイメージが強いですからね。
同期組の中でもとりわけ影の薄いSJ…たまんないっすよね。一応、1984年頃にモデルチェンジしますが、SCやSFほど大規模なものではなく、「あー確かに変わったね」くらいのもの。よりTLチックになりカタログ巻頭を飾りますが翌年のカタログからは早くも姿を消しています。この不遇っぷりが好きなんです。
良い楽器なのにいろいろ残念な要素の強いSJシリーズ、こういうの好きだって人いると思います。ボディエンドに大き目の打痕があるものの結構きれいな個体です。ぜひ。