現在ではGibson（ギブソン）の姉妹ブランドとしておなじみのEpiphone（エピフォン）ですが、1950年代後半のギブソン社の経営母体CMI（シカゴミュージカルインストゥルメンツ）による買収以前は、特にアーチトップの分野においてギブソンのライバルとして躍動していた歴史あるブランドであります。CMI買収以降は、ソリッドボディモデルの生産も始まり、世界中のギターファンに愛される魅力的なモデルが多数誕生しました。
1960年に発売された『SB722 Olympic』は、同時期に登場したギブソンのソリッドギター「Melody Maker（メロディメーカー）」とほぼ同仕様でしたが、1963年に仕様変更が行われ、ソリッドマホガニーの非対称ボディにバッドウィングヘッドというエピフォンソリッドモデルとして見慣れたおなじみのボディシェイプに、メロディメーカーピックアップを装備した使いやすいモデルとして多くのオールドギターファンから愛されています。
【ボディ】
全体重量は約2.8kg。ボディ材はマホガニー、バック面にコンター加工が施されている仕様となります。ブラウンがかった渋いサンバーストカラーが魅力のひとつです。ショートバイブローラユニットは社外の新しいものに交換済み、その他ブリッジスタッド、コントロールノブ、ボディエンド側のストラップピンは交換（ネックヒール側は欠品）されています。全体的にウェザーチェック、打痕や引っ掻きキズ、パーツ類のくすみはみられるものの、塗装の艶は良好で比較的きれいなコンディションといえるかもしれません。バイブローラアームを使用せず、TPBR-8513ブリッジにてラップアラウンドセッティングももちろん可能です。
【ネック】
ネック材はマホガニー。フィンガーボード材はローズウッド。ネック裏の塗装はサラッとした手触りを実現するために剥がされています。その他ヘッドまわりにキズはみられるものの、ブランドロゴもしっかり残っていて、比較的きれいなコンディションといえるでしょう。チューナーは1弦巻き部分に曲がりはみられ、巻き具合の固さにバラつきはみられますがしっかりと機能します。フレット／ナットは交換済みで、プレイアビリティは良好です。ナット幅40.0mm。比較的しっかりとしたネックシェイプが特徴です。
【電装系】
コントロールは1ピックアップ仕様のシンプルな【マスターボリューム／マスタートーン】となります。ネック側にミニハムバッカーを増設したザグリ跡がみられますが、ピックガードにより隠れています。POT、配線材、アウトプットジャックは交換済みとなります。キャビティ内は現在、シールディング処理が施されています。ピックアップはシングルコイルの通称メロディメーカーピックアップを1基搭載。主にコードストロークで心地よさが発揮される、クリアーで食いつきの良いトーンが魅力です。
付属ケース：ノンオリジナルハードケース
Weight：2.8kg
Body Material：Mahogany 1 piece
Neck Material／Scale Length：Mahogany／624mm（24-1/2inch）
Fingerboard／Fret Marker／Radius：Rosewood／Pearloid Dot／304.8mm（12inch）
Nut Width／Fret Width：40.0mm（replaced）／2.6mm（replaced）， 22F
Neck Thickness（1F／7F／12F）：19.9mm／22.0mm／23.2mm
Tone Capacitor：Dilectron CircleD 100V
Pickup：Gibson Melody Maker Singlecoil w/Black Cover（7.1kΩ）
※ピックアップの直流抵抗値はコントロール部を通した計測となります
-------Heartman Vintage Guitarsは池部楽器店のヴィンテージ・ギター＆ベースの専門店です-------